2021年(令和3年) 4月15日(木)付紙面より
ツイート
酒田市の最上川河川公園を会場に毎年8月第1土曜夜に開催している「酒田花火ショー」に関し、来年から全国各地の花火師による「2尺玉」(20号玉)を使った全国で唯一の競技大会に転換する。昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となったが、今年は転換を広くPRする「プレ大会」と位置付けて8月7日に6部構成で実施、2尺玉は計13発打ち上がる予定。
13日夕に市庁舎内で開いた実行委員会(委員長・阿部建治市自治会連合会長)の初会合で事業計画、事業予算を承認した。
会場となっている最上川河川敷は、打ち上げ場所が延長約2キロに及ぶ上、火薬類取締法施行規則で定められた保安距離を十分確保できることから、尺玉(10号玉)以下の花火との組み合わせで立体的に楽しんでもらおうと昨夏来、市民有志や東北公益文科大学生らで組織する「酒田2尺玉花火実行委員会」(阿部英明実行委員長、16人)が市に対し、2尺玉を活用した競技大会の実施を提案していた。
阿部英明委員長によると、2尺玉は上空600メートル余まで上昇し、直径約500メートルの大輪を咲かせるという。新型コロナ収束後にさらに多くの観光客を呼び込むため、花火ショー実行委では来年から競技大会に移行することにし、今年の花火ショーを「プレ大会」と位置付けて転換を市内外に広くPR。
花火ショー実行委で承認された事業計画によると、今年は「酒田の花火が変わる!大迫力2尺玉の競演」をテーマに掲げ、8月7日午後7時半から実施。第4部に2尺玉花火競技大会プレ企画を行い、計13発を打ち上げる。全席指定の有料チケット制で会場をフェンスなどで囲んで観覧者をコントロール、密集防止を図る。感染防止対策を徹底するため予算規模は前回(19年8月)より1378万円増の7657万円を見込み、チケット売り上げやクラウドファンディングで確保する。
阿部建治委員長は「『生まれ変わりの大会』。感染防止対策をしっかり施して安全を確保し、市内外の花火ファンから楽しんでもらいたい」、大会会長を務める酒田商工会議所の弦巻伸会頭は「コロナ禍からの復活に向け、未来に希望を抱くことができるイベントにしたい」とそれぞれ話した。