2021年(令和3年) 4月21日(水)付紙面より
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出羽三山神社神職養成所(所長・宮野直生宮司)の「入所禊(みそぎ)」が20日朝、羽黒山中を流れる祓川(はらいがわ)で行われた。この春、神職になるために同養成所に入った新入生が、ふんどし姿で水温約3度の川に入り心身を清めた。
新入生は18歳から45歳までの男性5人(宮城3人、秋田、福島各1人)。国宝・五重塔近くの祓川で行われる禊は、新入生の恒例行事として知られている。
この日は午前7時前に羽黒山頂の合祭殿を出発。駆け足で石段を下り、祓川に到着すると「エイヤー、エイヤー」と両腕を動かす「鳥船(とりふね)神事」で体を温めた後、いざ冷たい川の中へ。唇をかみしめながら肩まで雪解け水に浸かり「大祓詞(おおはらえことば)」を唱えていた。
薬品販売の会社を辞めて入所したという新入生の佐藤樹一さん(45)=宮城県気仙沼市=は「体に突き刺さるような冷たさだった。2年間しっかり学び、多くの人たちを支えられるような神職を目指したい」と話していた。
神職養成所は、1年間と2年間の2つの課程があり、新入生は座学のほかに祈祷(きとう)やおはらいなどを実地で学ぶ。卒業する年の3月には「とてもきつい」といわれる「雪中禊」に臨む。