2021年(令和3年) 5月18日(火)付紙面より
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酒田市の酒田まつり(本祭・20日)の神宿(とや)開きが15日、上、下両神宿で行われ、住民が所蔵する珍しい美術品や工芸品の数々が訪れた人の目を楽しませている。
酒田まつりは、上日枝神社(浜田一丁目)、下日枝神社(日吉町一丁目)の例大祭で、江戸時代前期の1609年から一度も欠かさず続けられている。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、昨年に引き続き、呼び物の山車行列、宵祭り、露店出店などが中止。伝統を継承するため神宿飾りを含め神事は規模を縮小し実施する。
今年の神宿は、上は5自治会による第一区神宿組合(村上智哉委員長)が浜町二丁目自治会館(相生町二丁目)、下は4自治会による第四神宿組合(加藤弘良委員長)が厳島神社(日吉町一丁目)にそれぞれ開設した。
上神宿は、以前に同会館近くで写真店を経営していた同市在住の切り絵作家、白旗孝夫さんが制作した作品のタペストリーを中心に、原田博子さん(浜町二丁目自治会)によるフラワーアレンジメント、JR酒田駅前にあった旧ジャスコから寄贈を受けた子供用みこしなどが並び、ご神体を迎えるにふさわしい空間にしつらえているのが特徴。
一方、下神宿は地域住民が持ち寄った約40点の「お宝」を展示。面白いものでは、1979年に解散したフォークデュオ「風」、フォークシンガーのイルカさんのジョイントコンサートが旧酒田市民会館で開かれた時の告知ポスターも。関係者は「以前は13もの神宿組合があったが、今では半減。かなり早いペースで当番が回ってくる」と苦笑した。両神宿とも設置は21日(金)まで。