2021年(令和3年) 5月22日(土)付紙面より
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新型コロナウイルスの変異株感染拡大に伴い吉村美栄子知事と県医師会(中目千之会長)など医療関係者による緊急メッセージが20日に発表された。村山地域の高校での感染拡大や、重症化リスクの高いN501Y変異株の検出率が大幅に増えていることを受け、吉村知事と医療関係者が「地域の医療崩壊を防ぐため、基本的な感染防止対策の徹底と業種別ガイドラインの遵守を」と県民に呼び掛けた。
メッセージの発表会見は県庁で行われ、吉村知事と県医師会の中目会長、山形大医学部の上野義之部長、同大医学部附属病院検査部の森兼啓太部長、県病院協議会理事長の武田弘明県立中央病院長の5氏が出席した。
吉村知事のあいさつに続いて中目会長が県内の感染状況と特徴について「ウイルスはほぼN501Y変異株に置き換わっているとみられ、高校での感染拡大が相次いでいることから若い世代でも容易に感染する。また、飲食店で十分な感染対策がなされていないケースが見られる」と説明した。
メッセージは1感染力の高い変異株を意識して感染防止対策を徹底2部活動や大会において感染防止対策を徹底3感染が多い地域との往来を控える4「コロナ差別ノー!宣言」県民運動を進める―の4点を呼び掛けた。
1はN501Y変異株の感染リスクが常に身の回りにあるという意識を持ち、マスクの正しい着用や消毒、3密(密接、密集、密閉)の回避、換気の励行など基本的な感染防止対策の徹底を求める。さらに、マスクを外した会話、会食、カラオケが最大の感染リスクとし、特に飲酒を伴うカラオケを控えるよう呼び掛けている。
2は学校の部活動において、緊急点検チェックリストによる自己点検を徹底するとともに、大会などで他校との交流がある場合は支障がない限り常時マスクを着用し、応援は声を出さず拍手で行うなど感染防止対策の徹底を求める。
3は政府の緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の対象区域との往来を控え、政府のステージ3の指標となる直近1週間の人口10万人当たりの新規陽性者数が15人以上となっている地域との往来は十分な注意を求める。また、テレワークやオンラインを積極的に活用し、往来の機会を減らすよう呼び掛けている。
4は感染者やその家族、医療従事者への差別や誹謗中傷は決して行わず、一人一人が思いやりの心を持ち一丸となってコロナを乗り越えるよう訴えた。
この中で学校の部活動について森兼部長は「高校総体の村山地区大会を契機に複数の高校で感染者が拡大した。違う高校の生徒が同じ控室を使ったり、競技や応援でマスクを外したりと十分な対策ができていなかったのが要因。更衣室でマスクを外し着替えながらの会話や、水分補給中の会話などは大きな感染リスクとなる。指導者が率先して生徒の安全に配慮してもらいたい」と述べた。