2021年(令和3年) 6月23日(水)付紙面より
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県内の高校生が部活動でAI(人工知能)について理解を深める「やまがたAI部」第2期のキックオフイベントが21日、酒田市の県立酒田光陵高校(藤田雅彦校長)を主会場に参加各校をオンラインで結んで行われた。
地域経済発展に向けて今後、さらに需要増が見込まれるデジタル人材の育成を図るもので、前期より2校多い13校の計91人が参加。部員たちは来年3月まで約10カ月間、講義聴講、企業訪問などで基礎からAIを学び、その成果を競い合うコンテスト「やまがたAI甲子園」で発表する。
やまがたAI部は、金型メーカー・IBUKI(河北町)の松本晋一会長が中心になって設立。県内の産学官金約30の企業・団体で組織する運営コンソーシアム(会長・松本会長)が支えている。「山形の人は奥ゆかしいたたずまいを是とする一面があるが、これからの時代はこれでは生きていけない。そうじゃないと思うきっかけを子どもたちにつくってあげたい」(松本会長)という。
昨年8月にスタートした第1期は11校から生徒61人が参加し、座学と実践を通してAIの仕組みや使い方を学び、その成果は今年3月の「AI甲子園」で発表した。
第2期は酒田東、酒田光陵、鶴岡南、鶴岡高専の庄内地域4校を含め県内の13校が参加した。参加各校をオンラインで結んで行われたキックオフイベントでは、コンソーシアムの松本会長、副会長を務める前田直之前田製管社長(酒田市)らが酒田光陵を訪問。前田社長は「これからの世界、AIの発達で言葉の壁は無くなるはず。山形にいながら世界とつながることができる。1期の先輩に負けず、素晴らしい発表を」、第1期を代表し同校3年の衣笠瑠恩さん(18)が「このような経験が高校時代にできるということは貴重。思い通りにいかないこともあるだろうが、その時は仲間と共に知恵を絞ってほしい」と画面越しに激励、吉村美栄子県知事がビデオメッセージを寄せた。
部員たちは引き続きAIがイラストを自動認識するインターネットサービスを体験した他、概要に関する講義を受けた。松本会長は「事業を通し、本県のGDPを上げるとともに、世界を目指すという壮大な志を育てたい」と話した。