2021年(令和3年) 7月27日(火)付紙面より
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東京五輪アーチェリー競技の女子団体戦が25日、東京・夢の島公園アーチェリー場で行われ、鶴岡市の中村美樹選手(28)=ハードオフ=が早川漣選手(デンソーソリューション)、山内梓選手(近畿大職員)と共に出場。日本は初戦となった準々決勝でベラルーシに3―5で逆転負け、ロンドン大会以来2大会ぶりのメダル獲得はならなかった。中村選手は「言葉が出てこない。率直に悔しい」と語った。
団体戦は1チーム3人で戦う。1人ずつ1セットで2射放ち、計4セットで競う。23日のランキングラウンドで日本チームは4位に入り、1回戦をシードとなり、準々決勝から登場した。
日本は第1セットを取って2点を先行。第2セットを奪われ、第3セットは同点となり、ここまでの得点は3―3。準決勝進出を懸けた最終第4セットは点数を離され敗れた。
中村選手は、プレッシャーの大きい3人目の射手に起用された。計8射中3射で満点の10点を出すなど奮闘。初の五輪で日本チームを引っ張る活躍も見せた。
試合後、中村選手は「最終セットは風がすごく強くて、風に耐えようと思って逆に力が入り、うまくうてなかった。心残り」と、メダルを懸けた戦いを無念そうに振り返った。
アーチェリー女子で残るのは個人戦だけ。中村選手は28日の1回戦でチェコの選手と対戦する。中村選手は「悔しい気持ちを忘れずに、最後まで戦い抜いていきたい」と、初の五輪の最終舞台へ意気込んだ。
先輩の勇姿に「鳥肌立った」
鶴岡市内各高校アーチェリー部員応援
中村美樹選手の母校・鶴岡工業高で25日午後、アーチェリー部の部員や教職員らが、初の五輪出場となった中村選手の戦いを見守った。
同校アーチェリー部顧問の布施愛加教諭の呼び掛けで、同校など鶴岡市内の各高校のアーチェリー部員を中心に約40人が集まった。生徒たちは、日本代表3人の1人として、中村選手が競技場に姿を見せると、両手に持った赤いメガホンをたたいて“先輩”を応援。第1セットの1射目に10点満点を射ると、ひときわ大きくメガホンを打ち鳴らすなど、郷里の鶴岡からエールを送り続けた。
鶴工高アーチェリー部3年の白幡侑大さん(17)は「素晴らしい戦いだった。オリンピックの舞台で中村選手の輝く姿を見て、とても誇りに思う」、同部の新部長の2年・齋藤夢路さん(17)は「先輩の戦う姿はとても格好良かった。もっともっと練習しなければと、とても刺激になった」と話した。
鶴岡市小真木原公園内の練習場で中村選手からアドバイスを受けたという同校3年の鈴木美思(みこと)さん(17)は「普段から間近に練習に励む姿に接していた先輩がオリンピックに出て世界の代表と戦っているのを見て、鳥肌が立った。感動しました。残る個人戦は、今まで頑張ってきた分を全て出し切り、いつも通りにうってもらいたい」と、五輪で戦う先輩の活躍に期待を寄せた。