2021年(令和3年) 9月11日(土)付紙面より
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鶴岡市の大山小学校(宮野弘校長、児童309人)の3年生たちが10日、近くのラムサール条約登録湿地・大山下池にボートで繰り出し、水深を測る体験学習に取り組んだ。
同校3年生が毎年、下池そばにある市自然学習交流館ほとりあ(富樫均館長)の協力で実施している総合学習の一環。今年は3年生44人が6月から「体感しよう 伝えよう 大山の自然」をテーマに、ラムサール条約登録湿地の大山上池・下池周辺でホタルやドジョウの観察などを行ってきた。その中で「池の深さは?」という疑問が出たため、初めてボートに乗り実測することになった。
この日は3年生がザリガニ観察と水深計測の2グループに分かれて学習。水深計測の19人はさらに2、3人ずつの8班に分かれ、ほとりあの富樫館長らと一緒に手こぎボート3隻に交代で乗り、沖に繰り出した。
重りの付いたロープを水中に垂らし、水深を測ったところ、最も浅いところで約1メートル、最も深いところで約3・3メートル。子どもたちは水面の葉や実を拾い、富樫館長らから「それはヒシの実だよ」など教えてもらっていた。
太田来花さん(9)は「自分が測った水深は166センチで、予想より深かった。ボートは最初怖かったが、帰りは速くて面白かった」と話した。
ほとりあの上山剛司副館長は「ヒシが繁茂しているのは、池が富栄養化しているため。かつてはジュンサイが多かったが、温暖化で飛来が増えた野鳥の糞や、肥料や燃料にしていた落葉落枝の活用減少で富栄養化が進んだ。昭和30年代ごろまではボート遊びも盛んだった。時代とともに変化している池の歴史の一端に触れてもらえたら」と話した。