2021年(令和3年) 9月12日(日)付紙面より
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鶴岡市内で生産された小麦「ゆきちから」を使った中華麺が8、9日の2日間、同市内の小中学校の給食で冷やし中華にして提供され、子どもたちに「香りが良い」「コシがある」など好評を博した。
この取り組みは、山形大農学部や鶴岡市などでつくる「庄内スマート・テロワール(スマテロ)構築協議会」(会長・村山秀樹農学部長)が実施した。循環型農業による食料自給圏の構築を目指し、小麦や大豆、飼料用トウモロコシなどの輪作体系の確立、耕畜連携や農商工連携によるハム・ソーセージ類の加工・販売などに取り組んでいる一環。学校給食への生産品提供はこれまでジャガイモで実施しており、小麦は初。
今回は鶴岡市馬町のすがわら製麺で、同市産ゆきちからを50%(225キロ)混ぜた生の中華麺を製造。市学校給食センターで冷やし中華に調理し、8、9日の2日間、市内の24小中学校(17小学校、7中学校)で、教職員分を合わせ約7000食を提供した。
朝暘一小6年の高橋りのあさんは「小麦が庄内で育てられていることにびっくり。麺はもちもちしてとてもおいしかった」、ともに豊浦中3年の小笠原美佐希さんは「いつもの麺より香りが良く、おいしかった。コシがあって、食べ応えがあった」、佐藤航太さんは「香りが強かった。食感ももともちして、いつもと違い、とてもおいしかった」とそれぞれ感想。
市農政課では「いつもよりコシや香りが良く、おいしかったという声が多かった。今後も循環型農業への理解が広まるよう、機会を捉えPRしたい」としている。
庄内スマテロで小麦は重点作物に位置付けられ、2017年から庄内地方の高原や平場で「ゆきちから」を作付けし、この夏収穫分は約14ヘクタールで35トン程度を収穫。中華麺やうどん、パンなどに加工されている。