2021年(令和3年) 9月16日(木)付紙面より
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元サッカー日本代表の鈴木啓太さんが社長を務める腸内環境研究のバイオベンチャー「AuB(オーブ)」(東京都)と、慶應義塾大先端生命科学研究所発のバイオベンチャー「メタジェン」(鶴岡市、福田真嗣社長)は14日、東京都内で共同記者会見を開き、腸内環境と身体の内部の温度(深部体温)に関する共同研究を始めたと発表した。腸を温め睡眠の質を高めるなどの健康課題解決に向けたインナーウエアを開発し、来年2月の商品化を目指す。
古くから「おなかを温めると健康に良い」との言い伝えがあるが、腸を温めることによる健康効果については諸説あり、科学的には十分に証明されていないという。両社は共同研究を通じ、おなかを温める生活が腸内環境に与える影響や健康効果を明らかにし、健康に寄与するヘルスケア関連の商品開発につなげる。
共同研究では一般の人に加え現役Jリーガーらトップアスリートを含む約100人を対象に、AuBが腸内細菌と腸の温度、食事内容、睡眠時間、便通などを調べ、便検体から腸内細菌の種類や量、割合を解析し、日常の食事や便通との相関関係を調査する。メタジェンは腸内細菌と代謝物を同社独自技術の「メタボロゲノミクス」で解析し、腸内細菌や腸内環境の状態、健康効果を評価する。
オンラインで行った共同記者会見で、AuB研究統括責任者の冨士川凛太郎取締役が取り組みを説明。鈴木社長は「おなかを温めるということがどういうことなのか、今後も科学的に解明していきたい」と述べた。同社は2015年設立。アスリートの腸内環境の研究のほか、腸内環境を整えるサプリメントなどを商品化している。メタジェンとの共同研究は今回が初めて。