2021年(令和3年) 9月25日(土)付紙面より
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鶴岡市馬町の市自然学習交流館ほとりあ(富樫均館長)は、同館横の都沢湿地で、県の絶滅危惧種に指定されている水生植物「ミズアオイ」の保全活動に取り組んでいる。これまでプランターで育ててきたが、本年度初めて湿地に定植したところ約100株が開花し、見頃を迎えている。
ミズアオイは、増水時などに土壌がかく乱されることによって発芽する「かく乱依存種」。かつては水田や沼地などで多く見られていたが、農薬や堤防などの河川整備の影響で数が激減。絶滅の危険性を3段階で示す県のレッドリストでは、上から2番目に高いIB類に指定されている。
同館は2012年の開設時から、都沢湿地で重機によるかく乱を行っており、ミズアオイはその活動で確認された。これまでプランターで少しずつ増やし、一定数になったことで、今年6月に初めて、湿地の一角(8メートル×10メートル)に約100株を定植。同館の上山剛司副館長は「自然環境に人の手を加えることに疑問を持つ声もあるが、それによってミズアオイのように復活する植物もいる。湿地の成り立ちなども感じながら、きれいなミズアオイをぜひ見てもらいたい」と話す。
ミズアオイは、今週末ごろまで同館内から見ることができる。