2021年(令和3年) 9月29日(水)付紙面より
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酒田市の鳥海小学校(小松泰弘校長)の5年生33人が27日、同校敷地内にある実習田で稲の手刈り、くい掛けに挑戦した。2週間ほど天日干しした後、足踏み式脱穀機を使って脱穀、11月上旬に開催される学区内3つのコミュニティ振興会文化祭で児童自ら販売する。
同校敷地内には広さ約250平方メートルの「ちびっこ実習田」があり、いずれも学区内の本楯、上田、南遊佐の3コミ振役員の指導で毎年、5年生が総合学習と社会科の一環で、手植え、追肥、収穫、脱穀、販売まで一連の作業を体験している。地域の基幹産業を体験することで郷土愛を育んでもらうとともに、食べ物を大切にする気持ちを養ってもらうのが狙い。
今季栽培に挑戦したのは主力品種「はえぬき」。実習田を管理する富樫純一本楯コミ振会長によると、登熟に若干遅れがみられるものの、自然災害もなく平年並みの収量が期待できるという。秋晴れの下、おじいちゃん、おばあちゃんの指導を受けた児童たちは鎌を手に実習田に入り、5、6本ずつ刈り取り、丁寧に束ねてくいに掛けていた。小嶋まいさん(11)は「初めての体験だったけど、上手に刈り取ることができた。たくさん売れてほしい」と話した。
同校は昭和初期に実際に使用されていた足踏み脱穀機を所蔵、これを活用して児童たちが脱穀。販売体験の他、お世話になった指導者を招いて感謝の集いも開くという。