2021年(令和3年) 10月14日(木)付紙面より
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若者なりに社会を考える会 つるおか「PITOPE」代表
菊地 将晃(きくち まさあき)さん
政府が沖縄県名護市辺野古で進める米軍基地建設の埋め立て用土砂の採取地に、沖縄戦戦没者の遺骨収集が続いている沖縄本島南部を加えた。これに「違和感を覚える」として今年8月、PITOPE(ピトペ)を立ち上げた。
ピトペは、「piece to peaceの略で、小さなかけらでも、一人一人が思いを形にすることで、平和の実現につなげたい」という思いを込めた。鶴岡市議会から政府に対し、土砂の採取中止を求める意見書を出してもらおうと8月8―23日に署名活動を行い、647筆を集めた。さらに同30日には「若者が社会に関ワル、加ワルことで、社会は変ワル」という趣旨のオンライントーク「若ワル」の第1弾を行い、市議や高校生から地域課題への考えなどを聴いた。
「市議側は若者ともっと関わりたいが、そういう機会が少ない。若者は地域課題に関心はあるが、どう行動していいか分からない。双方をつなぐ必要性を再認識できた」という。
遺骨土砂については「米軍基地が沖縄に集中することにも違和感はあるが、それを脇に置いても、遺骨が埋もれているかもしれない土砂を埋め立てに使うのは、自分が遺族だったら耐えられない」とする。
「最近は経済的価値ばかりで、命や生きること、若者の存在が軽視されていると感じることが多い。若者自身も、真面目な話を避ける風潮がある」と見る。そして、「社会は力のある人や著名人が変えていくのではない。一人一人が『嫌だ』『おかしい』と思う自分の感覚に大切にして、それを口にし、まじめに話し合える。そんな場をつくっていきたい」と展望を語る。
遺骨土砂に関しては今後も署名を集め、12月市議会に請願を出す予定。「若ワル」の第2、3弾も計画するという。詳細はピトペのフェイスブックページ=https://www.facebook.com/pitope.8.8=へ。
北海道出身。山形大農学部を卒業し、地元の福祉施設で働きながら2013年、ストリートダンスサークル「Kickin'Dance Fam」を設立、障害者と健常者が一緒に楽しむ場をつくってきた。現在はダンスのインストラクター専任。鶴岡市城北町在住。35歳。