2021年(令和3年) 11月20日(土)付紙面より
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鶴岡市のあつみ小学校(松田裕可校長、児童158人)の4年生28人は18日、同市大岩川の庄内小国川漁業生産組合(五十嵐洋司組合長)のふ化場でサケのつかみ捕りや採卵、人工授精を体験し、命と自然の大切さを学んだ。
地域の農林水産業に関心を持ってもらおうと、同校の3―5年生を対象に毎年行っている「天魄山森林自然教室」の一環。学校と市がやまがた緑環境税を活用し、温海庁舎の協力で専門家を講師に招き実施している。同漁業生産組合では毎年400―600匹のサケを小国川で捕獲。人工授精させ、30万匹ほどの稚魚を放流している。
この日は最初に、同校でサケの生態に関するクイズ形式の座学が行われた。県庄内総合支庁産業経済部水産振興課の斎藤祥司水産業普及指導員は「サケは浅くきれいな川で産卵し、1カ月ほどでふ化する。その後、北の海でエビやカニを食べて成長し、3―5年後に生まれた川の匂いをたどって帰ってくる」とし、森を大切にするよう伝えた。
その後、子どもたちは同漁業生産組合のふ化場へ移動し、全長約70センチのサケのつかみ捕りに挑戦。力強く跳ねるサケに苦戦しながら、うまくつかむと大喜びしていた。
採卵体験では、五十嵐組合長の指導の下、自分たちで捕まえたサケをさばき、丁寧にオレンジ色の卵を取り出した。その後、オスの腹を押して卵に精液を掛け、手でかき混ぜ授精させた。
佐藤誠氣君(10)=五十川=は「ぬるぬるしてつかむのが大変だったけど、うまく捕まえられて楽しかった」、サケをさばいた佐藤心菜さん(9)は「思っていたよりサケの皮が硬かった。あんなに大きいイクラに初めて触れて楽しかった」と話した。
4年生は来年3月ごろ、今回授精させた卵からふ化した稚魚を小国川に放流する。