2021年(令和3年) 12月3日(金)付紙面より
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県内の女性農業者でつくるやまがた農業女子ネットワーク「あぐっと」による講演会が1日、鶴岡市の山形大学農学部で開かれ、学生44人が講演やワークショップを通じ、就農の課題や現状について考察した。
あぐっとは、農林水産省が推進する県内の農業女子プロジェクトのメンバーを中心に運営しており、会員は約50人。会員同士の情報共有や、若い女性の就農を支援する活動を行っている。
この日は、真室川町で夫婦で農業を営む、最上真室川新田農園の新田祥子さん(42)が「私の経営の目標とあぐっとに入って」と題して講演した。
農家に生まれた新田さんは「小さい頃から当たり前にあった田んぼや畑を無くしたくない」との思いで夫と共に家業を継ぎ、2019年に法人化。育児や経営の面などでさまざまな悩みを抱えたが、あぐっとに入会し、県内の女性トップランナーや新規就農者たちと交流することで多くの刺激を受けた。「人を生かす食物を作る農業を絶やしたくないという目標が見つかった」とし、「農業は孤独にやろうとすればいくらでも自己完結できるが、多くの女性農家とつながれたあぐっとに感謝している」と語った。
その後、学生たちは8グループに分かれ、あぐっとのメンバーと共にワークショップを実施。農業に関する将来の目標やその課題、解決法などを話し合った。▽質にこだわった有機栽培の野菜をブランド化して売りたい▽観光果樹園を経営したい▽公務員として働きながら農業を兼業したい―などの意見が挙がり、あぐっとのメンバーと実現方法などを議論した。
2年の岡本真月理さん(20)は「女性農業者の生の意見を聞いてみて、普段の講義では分からない問題点や難しさが知れて良かった」と話した。