2021年(令和3年) 12月4日(土)付紙面より
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鶴岡市で今月17日に行われる「観音様のお歳夜(としや)」に向け、冬の風物詩「<切山椒(きりさんしょう)」が市内の各菓子店で作られている。
切山椒は、もち米に黒糖とサンショウの粉を練り込んで作るそば状のお菓子。鶴岡市では明治時代に、一日市町にあった老舗菓子店「長崎屋」の8代目・佐藤甚右エ門が、浅草の仲見世の西の市で見つけたものに着想を得たことで伝わったとされている。当時は菓子作りで出るくずを乾燥させ、石臼でひいた粉に黒糖とサンショウの粉を入れて細く切ったものを販売していた。
また、同市では厄よけとしてサンショウの木を庭先に植える習慣があり、一度に多くの実をつけることから子孫繁栄を象徴。毎年、同市本町二丁目の七日町観音堂で行われる「観音様のお歳夜」のだるま市で、縁起物として切山椒を販売している。
菓子店「木村屋」(吉野隆一代表)では、11月中旬から同市覚岸寺のファクトリーストアで製造を始め、今月16日まで約2万箱(1箱170グラム)を作る予定。白糖と黒糖の2種類で、価格は1箱540円(税込み)。店頭とネットで販売している。
吉野代表は「白糖はサンショウのぴりっとした後味が口の中に広がり、黒糖はよりまろやかな味わい。コシの強い食感も味わってもらいたい」と話した。