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2022年(令和4年) 1月28日(金)付紙面より

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《ひと》農業の“原点回帰”唱える

鶴岡市立農業経営者育成学校SEADS校長
百瀬 清昭(ももせ きよあき)

 「これからの農業は五感を磨き、人間力を高めることが重要になる」。昨年4月にSEADS(シーズ、鶴岡市千安京田)の初代校長に就任した。ICT(情報通信技術)を駆使したスマート農業の推進が叫ばれる中、あえて“原点回帰”を唱える。

 シーズは、旧いこいの村庄内を改修して2020年4月に開校。2年制で持続可能な農業の技術や経営を座学と実践で指導している。修了後に5年以上、市内で定住・就農することを条件に内外から研修生を受け入れ、1期生は13人が入校。しかし、前例のない取り組みで課題も多く、次々に辞めて5人に。市は2年目の本年度、カリキュラムとスタッフを拡充する一環で校長ポストを新設、元県職員で県立農業大学校(現農林大学校)校長も務めた百瀬さんに白羽の矢を立てた。

 「多くの情報はネットで入手できるし、数字や係数も大切」とする。しかし、「高収入や効率にとらわれ基本を疎かにすると、失敗する。土作りや作物の特性をしっかり押さえ、五感で作物と対話するのが基本」と説く。

 人間力については「法人化が進み、雇用を伴う経営や販売のノウハウが重要になる。チームワークや商談など人とのコミュニケーション能力が大切になる」と見据える。

 今春に送り出す1期生5人は、2人が雇用、3人は独立による就農が決まっている。昨春に入校した2期生9人は一人も辞めず、「海、山、平野がある庄内暮らしを満喫し、『来て良かった』という人も多い」という。現在は3期生を募集中で、「大企業を辞めて入校を希望する人もいる。SDGs(持続可能な開発目標)への関心の高まりやコロナ禍による地方回帰もあり、農業を志す若者が増えつつある」とみる。

 今後については「意欲ある人を迎えて育て、地元で就農、新しい風で活性化につなげてもらいたい。全国の成功モデルにしたい」と意欲。運営には地元の大学や農協、企業も関わっていることを挙げ、「さまざまな専門家と橋渡しできるハブ機能を生かし、よろず相談所的な機能も担いたい。より広域的な取り組みにも期待。研修先や修了後の農地、住宅の確保など地域の支援も欠かせない」と協力を呼び掛ける。

 1952年生まれ。山形大農学部を卒業し75年、県職員に。畜産試験場などを経て2010―13年に県立農業大学校校長、14―16年に鶴岡市新規就農アドバイザーなど歴任。趣味のスキーは指導員の腕前、羽黒の山伏修行・秋の峰は6回入峰した(山伏名・剛顯)。妻、長男夫婦、孫2人、母と7人で鶴岡市羽黒町上野新田で暮らす。69歳。

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