2022年(令和4年) 5月19日(木)付紙面より
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「天気予測」「文字認識」を探究
酒田市へ報告 喜びのデモンストレーション
県内の高校生が人工知能(AI)に関する知識を深める「やまがたAI部」の活動成果を競う「第2回やまがたAI甲子園」で、酒田市の酒田東高校(大山慎一校長)の有志チーム=荒木優太代表(17)、6人=が総合で最優秀賞を受けた。メンバーたちが17日夕、同市役所を表敬訪問し、丸山至市長、矢口明子副市長を前に学んだ知識を生かして自ら構築した「天気予測AI」「文字認識AI」を披露した。
地域経済の発展に向け今後、さらに求められるデジタル人材の育成を図ろうと、県内60の企業・団体・教育機関・自治体などが2020年、「やまがたAI部運営コンソーシアム」(松本晋一会長)を組織し、高校生の活動を支えている。2年目となった21年度は13校約100人が参加し、オンラインによる講義聴講、企業訪問などで基礎からAI技術を学んだ。
成果を披露する「―甲子園」は今年3月に開催され、文字データの認識精度を競う「競技テーマ」、独自に設定した課題の解決に向けてAIの利活用を探る「探究テーマ」の2種目に12校が挑戦。1、2年(当時)有志で結成した酒田東チームは、探究テーマで過去10年間の酒田の気象データをAIに覚え込ませた上で今後12時間の天気、気温、降水・降雪量、風速・風向などを1時間単位で予測するシステムを構築。「実用性と精度を求めたため今後12時間とし、正答率を約82%まで高めた。1年間はほぼパソコンとにらめっこ状態だった」(荒木代表)と笑う。課題設定や情報収集、AI完成度などで競った結果、2位となった。
審査員の手書きの文字を識別する「競技テーマ」では正答率98・50%を達成し見事、1位を獲得。結果、総合で最優秀賞に輝いた。
この日は大山校長らの引率でメンバー6人が市役所を訪問。メンバーによるデモンストレーションでは、丸山市長が書いたアルファベット文字をAIに識別させて画面に表示した他、酒田の天気予測を披露。丸山市長は「AIは花形。皆さんからはぜひ日本を引っ張るリーダーになってほしい。これが酒田東の伝統となって脈々と続いていけば」とたたえた。大山校長は「学校の中では習得できない学びで、仲介してくれた市に感謝」と。荒木代表は「時間をかけ苦労したが、こういう結果になって報われた思い」と話した。