2022年(令和4年) 5月22日(日)付紙面より
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6月22日公示、7月10日投開票の日程が見込まれる参院選で、山形選挙区(改選数1)の戦いの構図が固まりつつある。公示まで1カ月と迫る中、独自候補擁立を見送る方向だった自民党が、地元の反発もあり、一転して擁立の方針に転換した。党県連は自民党の元県議の大内理加氏(59)=山形市=の擁立を軸に候補者の絞り込みに入った。党県連幹部は「選挙戦まで1カ月。擁立作業を急ぐ」としており、近日中に大内氏へ正式に出馬要請するとみられる。
大内氏は21日朝、荘内日報の取材に対し「党関係者から要請は受けておらず、驚いている」とした上で、「要請があれば、後援会や家族と相談し、熟慮して結論を出したい」と語り、擁立の要請受け入れ、出馬に前向きな姿勢を見せた。大内氏は昨年1月の知事選に自民推薦で立候補し、現職に敗れた。
党県連幹部は「大内元県議を中心に県議、元県議の中から候補者を絞り込む。発表の時期は急ぐ。早ければ週明けにも明らかにしたい」と述べた。
山形選挙区を巡って自民党執行部は、政府の本年度当初予算に賛成した国民民主党への配慮や政策面での連携を視野に、3選を目指す国民現職で党筆頭副代表の舟山康江氏(55)への対立候補を擁立しない方向で調整を進めた。
しかし地元の自民県連内では、舟山氏とこれまで戦ってきた経緯から「独自候補者を立てないことは政権与党として許せることなのか」といった反発が相次ぎ、舟山氏が野党候補として今回の参院選に臨む立場を鮮明にしていることもあり、党執行部内でも擁立見送り論への批判が挙がっていた。ただ県連内には、独自候補擁立に「今から候補者を選び、県民へ浸透させるのは時間的に厳しい」といった声はある。ある県議は「県内全域に散らばる支援者や団体へのあいさつ回りだけで3カ月は必要。擁立の判断が遅過ぎる」と党執行部のこれまでの一連の対応を批判した。
山形選挙区には他に共産党新人の石川渉氏(48)、NHK党新人の小泉明氏(51)が出馬を予定している。自民の独自候補擁立となれば、現職の舟山氏に3新人が挑む構図となりそうだ。