2023年(令和5年) 3月5日(日)付紙面より
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発生から12年目を迎える東日本大震災を前に、庄内町の余目中学校(佐藤義徳校長)の生徒が3日、庄内町役場で、発生日と前日に防災行政無線で放送される震災で亡くなった方への慰霊を呼び掛けるメッセージを収録した。担当した同校生徒会議長の渡部琴美さん(15)=同町常万、3年=は「震災の記憶を引き継いでいけるよう気持ちを込めた」などと話した。
同町は1999(平成11)年、旧立川町と現在の南三陸町を構成する旧歌津町が友好町の盟約を締結。震災時は庄内町からもいち早く炊き出し班を南三陸町に派遣し、被災者に温かいおにぎりを届けるなど支援。南三陸町側からはお礼として新鮮なワカメが届けられるなど、合併後の現在に至るまで交流を続けている。
同校でも、昨年9月の修学旅行では南三陸町を訪問。3年生が学校で育てたミニトマトを送るなど交流している。メッセージ収録もこうした活動の一環で2017年から毎年行われており、今年で7回目。
この日は渡部さんがリハーサル後に緊張した面持ちで本番収録。復興支援ソング「花は咲く」に合わせて、「震災を忘れず交流活動を通して南三陸町とのつながりを大切にしていきたい」などとはっきりとした口調で語り掛けた。
収録後、渡部さんは「南三陸町の中学生の被災時の活動などを学び、もし災害が身近で起きた時には自分ができることを探して活動していきたい」と話した。
収録されたメッセージは、今月10日午後6時45分、同11日午前7時45分の2回、庄内町内のコミュニティセンターなどに設置された防災行政無線のスピーカーから同町全域に向けて放送される。