2023年(令和5年) 6月8日(木)付紙面より
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東北大公共政策大学院(仙台市)修士1年の学生9人が4―6日の日程で鶴岡市を訪れ、旧町村部の地域振興に関する政策提言に向けたフィールド調査を行った。今後、政府機関や全国町村会事務局などにもヒアリングを行うなどし、来年1月末をめどに提言の報告書をまとめる。
同大学院の授業科目の一つ「公共政策ワークショップ」の一環で、県内の自治体を対象とするのは初めてという。6市町村の広域合併により誕生し、東北で1番、全国で10番目に広い市域となった鶴岡市に着目し、中でも人口減少率が高い朝日、温海の両地域で行政を中心にヒアリングを実施。文献調査や現地調査も加えて収集した情報を分析・検討し、食料生産や水源の涵養(かんよう)など多面的機能を有する地域の維持などに関して提言をまとめる。
学生たちは指導教員3人と共に1回目のフィールド調査として鶴岡入り。加茂水族館、出羽三山神社、慶應義塾大先端生命科学研究所やバイオベンチャー企業が立地する鶴岡サイエンスパークなどを視察。地域住民の足の確保に関して交通事業者に聞き取りしたほか、市の担当者や市朝日庁舎、温海庁舎、県庄内総合支庁で調査活動を行った。
5日には市役所で皆川治市長を表敬訪問。指導教員の石山英顕教授は「鶴岡をフィールドにしたワークショップで、しっかりと地に足の着いた政策提言の報告をしたい」と述べ、皆川市長は「市政の発展につながる政策提言をいただければ」と期待を寄せた。
学生代表の菅原大翔さん(23)=北海道釧路市出身=は「将来は地域振興に関わりたいと思い、進学した。鶴岡は食や観光などの資源が多く可能性を感じる。鶴岡をフィールドに、全国の地方都市が抱える課題の解決につながるような研究を行い、提言をまとめたい」と意欲と思いを語った。