2024年(令和6年) 4月30日(火)付紙面より
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2004年4月にオープンした酒田市山居町一丁目の市観光物産館「酒田夢の倶楽(くら)」が開館20周年の節目を迎え27日、現地で記念セレモニーが行われた。大型連休中は「20周年祭」として多彩なイベントが行われる。
酒田夢の倶楽は、1893年から1927年にかけて建設された国指定史跡「山居倉庫」の一部。市が2002年に南側に位置する11、12号棟を取得し観光施設として整備、04年4月27日にオープンした。物産販売の「幸の館」、同市に関する歴史文化資料展示スペース「華の館」、飲食施設「芳香亭」で構成し、運営する酒田観光物産協会(西村修会長)によると、この20年間で約1300万人が入館、市内で最も集客力がある観光スポットになっているという。同協会の荒生満専務理事は「酒田港のクルーズ船、庄内空港のチャーター便を活用したインバウンドが盛況で、新型コロナ禍前の水準までほぼ戻った。欧米からの観光客に民工芸品が人気」と話す。
夢の倶楽前の山居倉庫駐車場で行われたセレモニーでは、関係者と共に多くの観光客も参加。午前9時に酒田北前太鼓振興会メンバーによる演奏で幕開け、西村会長が「20周年を迎えられたのは、関係者はじめ皆さんのおかげ。来春には新たな施設が完成する。地域の冠たる物産館として職員一同、さらに努力していく。これからもご愛顧を」とあいさつ。矢口明子酒田市長と加藤聡酒田商工会議所会頭が祝辞を述べた。
この日最初の入館者に記念品を贈った後、参加者全員で環境に優しい土に還る風船を空高く飛ばした。5月6日(月)までの大型連休中、特別メニューの提供、オリジナルエコバッグのプレゼント、キッチンカーの出店などが行われる。
2024年(令和6年) 4月30日(火)付紙面より
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酒田市升田の名瀑「玉簾(たますだれ)の滝」で27日夜、恒例の春のライトアップが始まり、幻想的な雰囲気が訪れた人々を魅了している。
玉簾の滝は落差約63メートル、幅約5メートルの県内で最も高さのある滝。弘法大師が命名したと伝えられ、かつては山岳信仰の修験場だったという。現在は同市を代表する観光スポットの一つとなっており、ライトアップは地元の升田自治会(村上雅晴会長)が毎年この時期とお盆に行っている。
滝前にある御嶽(みたけ)神社への参道にも青色LEDやライトが設置され、その道のりを幻想的に照らす。神社の横道から奥に進むと突然視界が開け、水しぶきでひんやりとした空気の中、降雨や雪代で水量を増した滝が煌々と浮かび、周囲の新緑とともに圧倒的な存在感を持って迫ってくる。27日夜は多くの行楽客が訪れ、滝つぼを眺めたり、写真を撮るなど思い思いに迫力満点の滝を楽しんでいた。
天童市から帰省で訪れたという相原結香さん(31)は「昨年よりしぶきが飛んできて、流れにも勢いを感じる。今度は日中の滝の姿も見てみたい」と。長男の成柊(せいしゅう)君(5)は「上から水が落ちてくるのがすごい迫力。涼しいし楽しい」と話した。
ライトアップは5月6日(月)まで行われ、時間は午後6時半から同9時まで。
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大型連休前半の28日、鳥海山(標高2236メートル)には、残雪期の登山や春スキー、スノーボードなどを楽しむ人々が数多く訪れにぎわった。
遊佐町と秋田県にかほ市を結ぶ鳥海ブルーラインの本県側起点となる駒止ゲートには、午前8時のオープンを前に県内外ナンバーの車やオートバイが数百メートルにも及ぶ行列を作った。
最も多いのはスキーヤーやボーダー。県境近くの駐車帯で降りるとスキー板やスノーボードを担ぎ、雪面を一歩一歩踏みしめてお気に入りの斜面を目指した。
標高約1700メートルの御浜を中心に、雪に覆われた鳥海湖の湖面まで滑り降り、きつい斜面を登り返してはまた滑ることを繰り返していた宮城県の男性は「鳥海山は斜面の雄大さが素晴らしい。この快感を味わいに(ブルーラインが開通した26日から)3日連続で来ている。急斜面を登るのはつらいが、滑走はそれ以上の価値がある」と話していた。
鳥海ブルーラインは凍結などの恐れがあるため、駒止ゲートと一の清水ゲート(にかほ市象潟)間は当面、午後5時から翌朝8時まで通行止めになる。
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JA鶴岡青年部大泉支部(渡部政弘支部長、支部員23人)のメンバーが鶴岡市矢馳の田んぼに「菜の花迷路」を作った。一般開放初日の25日、近くの大泉保育園(白幡昭平園長)の園児を招待し、迷路散策を楽しませた。
菜の花迷路の広さは20アール。地域の子どもたちに自然とふれあう憩いの場を提供しようと昨年秋、支部員が所有する田んぼに種をまいた。菜の花は高さ30センチ~1・2メートルに成長、今月上旬に花を咲かせた。
初日のこの日は「思い思いに楽しんでね」と支部員がバスで到着した園児29人をお出迎え。さっそく子どもたちは鮮やかに咲いた菜の花迷路を通って「ゴール」を目指した。迷路の長さは約300メートル。通路には途中、「い」「ろ」など7つの「文字」が隠され、全部見つける楽しさを演出している。
佐藤将之副支部長(33)は「きれいに咲いてくれて良かった。ゴールデンウイークに合わせ、多くの人たちに楽しんでもらえればうれしい」と話した。
菜の花迷路は5月6日まで一般に開放している。入場は無料。駐車場は近くのJA鶴岡中央支所を利用してほしいと呼び掛けている。迷路の菜の花は6日以降に刈り取り「緑肥」として土になじませた後、だだちゃ豆(尾浦)を育てるという。
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鶴岡市湯温海の旅館たちばなやの一角に27日、「サジカフェ」がグランドオープンした。同館のそばを流れる温海川を眺めながら足湯を楽しんだ後、気軽に立ち寄り飲食を楽しめる。同館は「旅館の外に向けたカフェという新たな業態へ挑戦するとともに、温海地域全体の活性化を図るもの。宿泊客だけでなく散策の際に利用してほしい」と話している。
同館によると全国の観光地は施設単体ではなく地域全体として高い魅力が求められるという。この流れを受け、温海地域では自然を取り込んだ足湯や休憩スペースの整備などを進めてきた。そうした中、散策客などから「足湯の後に飲食や買い物ができる店があれば」という声が高まっていた。
これを受けて同館は以前から構想していたカフェの設置に着手。国の事業再構築補助金を活用して建物北側の塀を撤去するなど一部を改修した。工事は一昨年冬に着工し、昨春に店舗やウッドテラスが完成した。宿泊状況を見ながら期間限定で営業し、営業時間なども調整を重ねつつ体制と人材が整った今回、グランドオープンとなった。
カフェはたちばなやの佐藤佐次右衛門社長から「佐次」の2文字をもらって「サジカフェ」と命名。約30平方メートルのウッドテラスは温海川に生息する美しい鳴き声のカジカガエルをもじって「カジカテラス」と名付けた。テラスは旅館内の売店「花の市」に直結しており、庄内の特産品をはじめ土産を買い求めることができる。
散策路を挟んでカフェの向かい側には温海川と足湯「もっけ湯」があり、山や川の景色を眺めながら足湯を楽しんだ後、飲食や買い物に向かえることが最大のセールスポイントで、カフェは生ビールやソフトドリンク、ソフトクリーム、ポップコーンなどメニューが充実している。ポップコーンは温海地域の塩を使った「塩キャラメル味」と鶴岡産しょうゆの「バターしょうゆ味」の2種類を日替わりで提供する。テラスには椅子やテーブル、家族やカップルで座れるソファなどを置き、のんびりと過ごすことができる。
同館の佐藤鉄平専務は「温泉街を散策して足湯と景観、カフェを楽しみ、『温海って良いところだな』と地域全体の魅力を知ってもらえれば」と話した。