2025年(令和7年) 1月12日(日)付紙面より
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昨年4月に鶴岡市に開校した中高一貫校「山形県立致道館中学校」の第2期生の入学試験となる「適性検査」が11日、同市若葉町の同校(旧鶴岡北高)で行われた。定員99人に対し193人が志願した。志願倍率は1・95倍と1期生となった前年度入試の2・21倍より0・26ポイント下がったものの、引き続き2倍近い高い倍率の“関門”に、小学6年生の児童が挑んだ。受験の児童たちは緊張の表情で校門を通り、付き添いの保護者からは「頑張って」の声が飛び交っていた。選抜結果は17日に通知される。
致道館中学の入学者選抜はこの日、午前9時半に始まった。冒頭の約5分間の外国語(英語)のリスニングと国語、算数、理科、社会など小学校の教育課程に基づく総合的な出題がある55分間の適性検査(配点100点)に続いて、作文(40分間、配点35点)、集団面接(15分程度、配点15点)が行われ、休憩や連絡などを含め昼過ぎまで続いた。この日の検査の合計点と、小学5・6年の各教科の評定合計点を同じ比率で扱い、合否を判定する。
検査の受け付けは午前8時半から始まり、みぞれの中、傘を手にした受験の児童たちは同8時ごろから保護者と一緒に会場を訪れた。会場の学校敷地に入られるのは受験者のみ。鶴岡市内の男子児童(12)は校門前で「とっても緊張しています。塾やテストで頑張ってきたので、集中してやりたい」と引き締まった表情で難関突破に決意を示し、付き添った父親(45)は「インフルエンザや風邪など体調管理に気を配ってきた。親の方が緊張するが、とにかく頑張ってほしい」と話した。
校舎近くでは学習塾の講師陣が路上に立ち、試験に臨む子どもたちに「頑張れ」と応援の声を掛けていた。
2025年(令和7年) 1月12日(日)付紙面より
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酒田市の酒田東高校(齋藤一志校長、生徒470人)で9日、マレーシアでの海外研修に参加する生徒たちの事前学習会が行われ、現地の中高一貫校「スルタン アラーム シャー(SAS校)」の生徒たちとオンラインで交流した。
文部科学省「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」の指定を受ける同校では、国際的な感覚を身に付けてもらうとともに他国の歴史、文化に触れることで見分を広げてもらおうと、2019年から探究科1年生のうち希望者がマレーシア研修に参加している。本年度4回目の事前学習となったこの日は、今年3月18―23日の日程でマレーシアを訪問予定の同校1年生36人と、日本の高校1年生に当たるSAS校4年生の日本語を学ぶ生徒計約40人が参加した。
両校の生徒たちはそれぞれ9グループに分かれ、班ごとにオンラインで接続。酒東生は英語で、SAS校生は日本語で互いに自己紹介や地域の文化、サブカルチャーなどを紹介し合った。SAS校生たちの流ちょうな日本語に、酒東生たちは「Your Japanese very nice」など笑顔で返答。両校の生徒たちは日本の漫画やキャラクターがマレーシアでも人気といった話題のほか、窓の外の雪景色を見せてSAS校生を驚かせるなど、国を越えた同年代交流を楽しんでいた。
生徒の一人、星川うたさん(15)は「SAS校生たちの日本語が上手で、円滑に会話ができた。自分の英語でコミュニケーションが取れたことがうれしかった。マレー語も覚えながら英語ももっと勉強して、研修では地元の人とも交流できるようになりたい」と話した。
2025年(令和7年) 1月12日(日)付紙面より
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鶴岡市消防出初め式が11日、市役所前の県道で行われた。消防団員が勇壮な纏(まとい)振りや分列行進を披露し、周囲で見守る市民たちへ消防人の心意気を示した。
新年の始まりに規律的な部隊行動を公開し、市民に防火意識を高めてもらおうと市消防団(照井和団長)と市消防本部(五十嵐多樹夫消防長)が毎年実施している。今年は鶴岡第1―4、藤島、羽黒、櫛引、朝日、温海の計9方面隊など団員195人と、市消防本部職員85人が参加した。
前日までの大雪と打って変わって晴れ間の見える穏やかな天候となったこの日、通行止めとなった約170メートル区間の県道に団員たちが整列。照井団長が「いつ、どこで、どんな災害が起こるか予見できない世の中であり、今年も引き続き市民の安心、安全のため団員一丸となって精進していくことを誓う」と開始宣言した。皆川治市長が「関係機関の連携により消防力、機動力の向上を図るとともに、消防団員の皆さんには地域消防力の中核としてなお一層の尽力をお願いしたい」と訓示。加藤鮎子衆院議員ら来賓3人が祝辞を述べた。
市消防団纏い振り隊12人が「七五三奴(やっこ)振り」「神田奴振り」「鶴剣舞振り」など伝統の纏振り4演目を披露。勇壮な姿に沿道に詰め掛けた見学の市民たちが大きな拍手を送っていた。その後、各方面隊と消防本部を含む消防車両がフィナーレの分列行進を繰り広げ、今年一年の精進へ決意を示した。
2025年(令和7年) 1月12日(日)付紙面より
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酒田市の酒田光陵高校(藤田雅彦校長)環境技術科の3年生6人が10日、同市の酒田特別支援学校(五十嵐仁校長)を訪問。同校知的障がい教育部高等部1年生5人と交流しながらランプシェード作りに取り組んだ。
光陵高が採択を受けた、県立高校の特色化・魅力化を図り次代の山形を構築する人材の育成・確保に取り組む県の魅力ある県立高校づくり推進事業「フューチャープロジェクト」の一環。昨春に環境技術科を巣立った卒業生たちが昨年度、シュレッダーにかけて細切れになった紙から再生紙を作り出す課題研究に奮励。その研究発表を聴講した現在の3年生6人がより良いものにしようと本年度、酒田特支との地域連携共同研究「紙の絆―共に紡ぐSDGsの未来」と称して取り組んでいる。昨夏には同校でシュレッダー用紙を再利用した紙すき体験教室を行った。
この日は環境技術科の生徒たちが講師となり、膨らませた風船にボンドを溶かした水を使って再生紙を貼り付けていくといった作業に挑戦。生徒たちは互いに和気あいあいと交流しながら、楽しげに取り組んでいた。
ランプシェードは数日かけて乾燥させた後風船を取り外し、バルブライトにかぶせて完成予定。酒田特支の阿部蒼汰さん(16)は「光陵高の先輩たちが優しく教えてくれて、作業も楽しかった。完成したら自分の部屋に飾りたい」と。光陵高の阿部新太さん(18)は「作業を教える立場で来たが、酒田特支の生徒たちの方が作るのが上手。生徒たちの安全面や特性を考慮しながらアイデアを出し合い考案したので、楽しんで作ってもらえてうれしい。自分たちの研究が誰かにつながっているという実感が持てた」と笑顔で話した。