2025年(令和7年) 2月19日(水)付紙面より
ツイート
庄内地域の大学の留学生を対象にしたひな菓子づくり体験イベントが16日、鶴岡市下川の善寳寺(水口道雄住職)で行われた。留学生たちは庄内の食文化を学ぶとともに、完成したひな菓子をスマートフォンで撮影。母国語を使ってSNSで発信し、日本に滞在する同国の人や旅行者などへ庄内の魅力を伝える。
イベントは「食の都庄内」ブランド戦略会議(事務局・県庄内総合支庁地域産業経済課)の主催で初めて開催。ひな菓子づくりは、観光地域づくり法人のDEGAM鶴岡ツーリズムビューロー(鶴岡市末広町)が企画・商品化している体験プログラムを活用した。同プログラムは、ひな菓子を庄内に伝えたとされる北前船ゆかりの「五百羅漢堂」がある善寳寺を会場に、庄内の食文化や歴史などを丸ごと体験する内容。
今回は山形大農学部に通うインドネシアやマレーシア、ペルーなどの留学生19人と日本人学生3人が参加。バスで善寳寺へ移動し境内を見学した後、ひな菓子づくり体験に臨んだ。住吉屋菓子舗(鶴岡市上畑町)の本間光雄店主と5代目の三英さんを講師に迎え、「鯛」と「みかん」をかたどったひな菓子を作った。
留学生たちは本間さんの指導を受けながら、紅白の練り切りで鯛の胴体を作り、三角のへら(三角棒)で切れ込みを入れて背びれやうろこ、口元などを整えた。また、みかんはオレンジ色の練り切りで作った中身にでんぷん粉を付けて皮で包んだ。つまようじで皮をわずかに切り取ると中身が見え、でんぷん粉がミカンの白い筋のよう。留学生たちは職人の発想と技術に歓声を上げていた。
完成したひな菓子を手に留学生たちはさっそくスマホで写真を撮るなど盛り上がった。インドネシア出身のエンダン・ジュリアンシャー・ヌルル・ウーランさん(24)は「ひな菓子というものを初めて知った。おいしそうだけど、とてもかわいくて食べるのがつらい」と笑顔を見せていた。
このほか留学生の代表2人が表着や打衣、唐衣などを重ね合わせた「五衣」を着込むおひなさまのような着付けを体験した。ひな菓子づくりとともにインスタグラムなどで発信するという。