2025年(令和7年) 3月15日(土)付紙面より
ツイート
認知症についての自由研究を3年間続けている鶴岡市の斎小5年、坂東志麻さん(11)が、「認知症への理解」をテーマに全国の認知症キッズサポーターを対象にした作品募集の自由作品小学生部門で特別賞を受賞した。昨年の最優秀賞に続き、2年連続の受賞。
受賞のテーマは「認知症への思い~認知症マフを通して感じたこと~」。認知症マフはニット製の筒状のもので、両側から手を入れ、中に取り付けたマスコットなどを触ることで安心感が得られるとして、介護の現場などで活用されている。坂東さんは曽祖母が使っていたことで興味を持ち、小学3年から研究を続けており、昨年は認知症マフの効果などを現場で聞き取りしたものをまとめたところ、「社会に役立つ大変優れた報告」として表彰された。
5年生では、認知症マフを使っている人の「マフは毛糸なので、夏用のものが欲しい」という声を聞き、ミシン店が行う手芸教室に通ってアドバイスをもらい、外側をタオル地、内側をガーゼで縫い合わせて作った。すると「夏も涼しい。洗濯機でも洗えるので便利」と喜びの手紙をもらったという。
表彰式は今年1月に東京都で行われた。日頃から鶴岡市などが主催する認知症を理解する講座などで知識を深めている坂東さん。受賞について「2年続けて賞がもらえるとは思わなかった。マフを使うことで気持ちが穏やかになり、介護する人も安心できる。いろんな人が認知症について正しく理解してくれたらうれしい」と話し、6年生の自由研究では「若年性認知症について研究したい」と、今から準備しているという。