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2025年(令和7年) 5月11日(日)付紙面より

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アンモニア利用水素製造システム社会実装図る 遊佐町と岐阜大など連携協定

 遊佐町は9日、アンモニアを利用した水素製造システムの社会実装試験事業に取り組む岐阜大学(吉田和弘学長)や同大スタートアップ企業・エクサジュールテクノロジーズ(遊佐町遊佐、大橋孝章社長)と、町内での実装試験や水素利用などを目的とした協定を締結した。小型のアンモニア改質装置(水素製造機)や水素発電機の開発・製造を行い、民間への浸透を図るほか、将来的にはアンモニアを利用したCO2回収技術で生成された合成燃料を使い、町内のバイオマス発電所などとも連携していきたい考え。

 同大は、内閣府の「総合科学技術・イノベーション会議」による「戦略的イノベーション創造プログラム」でアンモニアを利用した水素製造システムの研究開発に取り組んでいる。液化アンモニアは水素ガスに比べエネルギー密度が高く、輸送や貯蔵の点で優れる。同容量での発電量は水素ガスの約4倍といい、脱炭素エネルギーの一つとして注目されている。

 今回の協定は、アンモニアから金属触媒を使って水素を取り出す同大の技術を活用し、エクサジュールテクノロジーズが社会実装に向けた試験調査、水素製造機や水素発電機の開発や製造を行い、2027年から町内施設での実装を目指すもの。3者は連携し、来春までに環境省「脱炭素先行地域」事業の指定も視野に入れる。実装場所は未定だが、27年度初頭の開業を目指す多機能型休憩施設「遊佐パーキングエリアタウン(PAT)」や鳥海温泉・遊楽里が検討されているという。

 この日は町役場で締結式が行われ、松永裕美町長、同大の神原信志副学長、大橋社長ら関係者が出席。松永町長が「協定締結を契機に、産業や防災など水素の利活用を検討していきたい。合わせて子どもたちの科学への関心も育てたい」、神原副学長は「単なる実験ではなく、社会実装がゴール。自然と多様な再生可能エネルギーを持つ遊佐町でスタートアップができる。多くの人の協力をお願いしたい」、大橋社長は「全く新しいアンモニアの利活用事業。日本や世界に遊佐モデルとして発信できるよう頑張っていきたい」とそれぞれ話していた。

 締結後は神原副学長がアンモニア改質による水素製造とその活用法などについて講話した。

協定書を取り交わす、左から松永町長、神原副学長、大橋社長
協定書を取り交わす、左から松永町長、神原副学長、大橋社長


2025年(令和7年) 5月11日(日)付紙面より

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藤の花 イベント多彩に 11日まで藤島地域でまつり

 「ふじの花まつり」が10日、鶴岡市の東田川文化記念館と藤島歴史公園Hisu花を主会場に始まった。

 今年で34回目。ふじしま観光協会や出羽商工会などで実行委員会を組織し藤の花が咲く時期に合わせて多彩なイベントを企画している。

 東田川文化記念館では藤島地域の愛好者が育てた藤の盆栽45点を展示。「カピタン」や「八重黒龍」といった品種が咲き誇り、訪れた人たちの目を楽しませている。鶴岡藤友会(ふじともくらぶ)の深澤一雄部長(74)は「盆栽は今が見頃。愛好者20人が丹精込めて咲かせた藤の花をぜひ見に来てほしい」と話していた。

 まつりは11日まで。問い合わせはふじしま観光協会=電0235(64)2229=へ。

愛好者が育てた藤の盆栽45点を展示
愛好者が育てた藤の盆栽45点を展示


2025年(令和7年) 5月11日(日)付紙面より

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偏見に気付き向き合うきっかけに ミライニで酒田市「これアンコン!」 厳選体験談漫画形式で紹介

 アンコンシャス・バイアス(アンコン、無意識の思い込み)に関するエピソードを四コマ漫画形式で紹介する企画展「これアンコン!」が、酒田市の酒田駅前交流拠点施設ミライニ光の湊共有ロビーで開かれ、市民の関心を集めている。

 「日本一女性が働きやすいまち」を目指す市の取り組みの一環で、個々人の偏見に気付き、向き合うきっかけづくりになることを目的に企画。市は2024年度、アンコンシャス・バイアスだと感じた体験談を募集。市内外の男女計70人から寄せられた101点の中から、厳選した19点をイラストを交えた漫画形式で紹介している。

 ▽息子が学校の図書館でプリンセスの本を読んでいたら、同級生から「それは女子が読む本だよ」と言われた▽ロシア人の友人が中国語を話すことに違和感を持たれることがある▽初対面の同年代女性と共通の話題を探そうと「お子さんおいくつですか」と尋ねたら「子どもはいないんです」と返答があり、反省した―など、性別のほか国籍、年齢などに対する無意識の先入観・固定概念に気付いた体験談が並ぶ。

 中には「酒田に初めて訪れた際、市公認キャラクター『もしぇのん』と『あののん』を見て、赤獅子のあののんが女の子だと思っていたら2人は性別がない妖精だと知った」といったものもあり、訪れた市民から「確かに」などの声が上がっていた。

 見た人自身の気付きにもつながるように、各エピソードの最後に「そんな思い込み、ありませんか?」など問いかけを付け工夫したという。市共生社会課の守屋純課長は「個人の考え方、感じ方を認め合える社会を目指す第一歩として、まずはアンコンシャス・バイアスの存在を知ってもらうきっかけとなれば」と話す。

 ミライニでは12日(月)まで。来月20日(金)―7月1日(火)には市役所1階フリースペースに展示する予定。

アンコンシャス・バイアスの体験談を四コマ漫画で紹介=ミライニ
アンコンシャス・バイアスの体験談を四コマ漫画で紹介=ミライニ


2025年(令和7年) 5月11日(日)付紙面より

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慶應先端研で未来の科学者目指す 「研究助手」「特別研究生」 地元高校生最多40人任用・入学

 鶴岡市の慶應義塾大先端生命科学研究所(荒川和晴所長)の高校生「研究助手」「特別研究生」の任用式・入学式が9日、同市覚岸寺の鶴岡メタボロームキャンパスで行われた。本年度は過去最多となる40人の庄内地域の高校の1―3年生が選ばれた。最先端の研究環境を生かしてバイオサイエンス分野の研究に携わり、未来の科学者を目指す。

 研究助手任用は、先端研に隣接する鶴岡中央高の生徒を対象に2009年度に始まった。放課後に研究所に通って研究プロジェクトに従事し、アルバイト代も支払われる。本年度は1―3年生23人を採用。農産物や食品の新品種・加工品創出、がん療法関連、ウミウシの生理解析、クマムシの細胞生物学などの研究プロジェクトに携わる。

 特別研究生受け入れは11年度にスタートした。世界的な研究者を目指すという意欲を持った生徒が対象で、平日の放課後や夏休みなどに研究所に出入りし、スタッフの指導で研究に取り組んでもらう。本年度の研究生は致道館5人、鶴岡工業1人、羽黒4人、鶴岡東1人、酒田東4人、酒田南2人の1―3年生計17人。常在菌研究やがん関連タンパク質の解析、農作物メタボローム解析など自分のテーマで研究員のアドバイスを受けながら研究を進める。

 任用・入学式には生徒と保護者、スタッフ、来賓の阿部真一鶴岡市副市長、各高校の校長らが出席。荒川所長が式辞で「今日から皆さんは慶應義塾の一員。研究には失敗がつきものだが、前に進むための一歩となる。常に前向きに一日一つ何か新しいことに挑戦し続けてほしい」と激励し、研究助手に任用証、特別研究生に受け入れ証を手渡した。

 生徒を代表し研究生2年目の酒田南高3年の齋藤真衣さん(17)が「より明確な目標を持って研究に取り組み、自分なりの問いを大切に思考を止めることなく研究を続けていく」と決意を述べ、鶴岡南高(現致道館高)時代に第1期研究生を務め、慶應先端研の研究員となった早坂亮祐さん(30)が「自分の興味を信じて研究を楽しんでほしい」と後輩たちにエールを送った。

 特別研究生に採用された酒田南高1年の高瀬漣さん(15)は「カブトムシのふんを活用した除草剤の研究をしたい」と意欲を見せていた。

研究助手、特別研究生として慶應先端研で研究に挑む地元高校生ら
研究助手、特別研究生として慶應先端研で研究に挑む地元高校生ら



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