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荘内日報ニュース


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2022年(令和4年) 08月04日(木)付紙面より

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紙おむつサブスク 酒田市内5公立保育園で実証実験開始

 「すまいる登園」と称して紙おむつの定額提供サービス(サブスクリプション=サブスク)を展開する花王グループカスタマーマーケティング(東京都)の協力を受けて酒田市は今月から、市内5つの全公立保育園でこのサブスクの実証実験を開始した。県内では初の取り組みで、9月末まで2カ月間は保護者負担がなく、利用状況などに関するアンケート調査を実施する。結果を受けて10月から月額3278円(税込み)で本格実施する予定。

 市子育て支援課によると、子どもを通園させている保護者は、園内で使用する紙おむつを自ら購入した上で、さらに一枚一枚に名前を書いて持ち込んでおり、保育園利用時間にもよるが、0―2歳児を中心に1日当たり5、6枚が必要という。

 保護者とともに、持ち込んだ紙おむつを管理する保育士の負担軽減も図ろうと、市内に花王酒田工場が立地している縁もあり、サブスク開始を前に、まずは「お試し期間」を設定して実証実験を繰り広げることにした。使用するのは酒田工場で生産される乳幼児向け紙おむつ「メリーズ さらさらエアスルー」。使い捨ての「するりんキレイおしりふき」とともに提供する。

 事前に実証実験への参加者を募ったところ、全5園の対象園児193人のうち、9割以上となる179人が申し込み。市は今月下旬以降、参加した保護者、保育士を対象にアンケート調査を実施。結果を踏まえて本格導入に向けた検討を行う方針。

 子育て支援課の阿部美穂課長は「紙おむつ持ち込みは育児と仕事に忙しい保護者の負担になっている。サブスクの導入で保護者の選択肢を増やしたい」と話した。


2022年(令和4年) 08月03日(水)付紙面より

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使用済み瓦をリサイクル 砕いて加工ガーデニングに

 庄内で使用済み瓦のリサイクルが進められている。新改築で出た瓦を砕いて加工し道路の舗装材や庭の被覆材としての利用価値が高まってきた。雑草を防ぐ効果があり「庭のメンテナスが楽」「暖色系の瓦チップで明るいイメージになった」と一定の評価も得られている。

暖色系で明るいイメージと評価

 県内の中でも海に面する庄内は、サビの心配がない瓦を利用する住宅が多い。県庄内総合支庁環境課によると、庄内で排出される使用済み瓦は年間約7700トン。庄内には処分場がなく、最上と村山に運んで埋め立て処理しなければならない。輸送費がかかるため、不法投棄や不適正処理につながりかねない、といった指摘もある。

 こうした中で使用済み瓦を資源として有効利用しようと2014年、県が業者と連携しリサイクルに向けた取り組みを始めた。瓦が持つ高い透水性や保水性に着目。破砕機で砕いて0?40ミリのチップ状に加工し土木資材、園芸資材、建築資材に再利用する動きが加速した。

 中でも園芸資材として生まれ変わった瓦チップは雑草が生えにくく、手入れが簡単に行えるとしてガーデニングに使うことが増えている。街路樹の植樹帯に「被覆材」として施工した事例も多い。アスファルト舗装との表面温度の比較実験では、瓦リサイクルで舗装した方が最大で約3度低いというヒートアイランド防止の効果も得られた。最近ではしっくいのように湿気を防ぐ性質を活用し、使用済み瓦をパウダー状にして室内の壁に使うケースも出始めている。

 再加工する業者は庄内で10社近く。中でも渡部砂利工業所(酒田市宮海)と関川瓦工務店(酒田市こがね町)、原田瓦工業(酒田市広栄町)が手掛けた再生品は品質が高く、県が「リサイクル認定製品」に認定した。

 いち早く使用済み瓦の再生品を造園資材に採用した鶴岡市新海町の土田造園(土田一彦社長)では、これまで20件以上の施工実績を持つ。土田社長は「ひところと比べて、瓦チップに対するお客さんの認知度は高まってきた。私たち業界としてもリサイクルは進めていかなければならない。今後もお客さんに提案しながら資源の有効利用と循環型社会に貢献できるよう努力していきたい」と話す。

 県庄内総合支庁環境課の担当者は「再利用がスタートして今年で8年目に入ったが、現在のリサイクル率は3割から4割。今後の課題は使用済み瓦の再生品をどのように一般の人たちへ浸透させるか。廃棄物の発生抑制と資源循環システムの構築に向け、これからもPR活動を続けていきたい」と話している。

植樹帯に瓦チップを「被覆材」として施工した事例=鶴岡市の山形銀行みどり町支店
植樹帯に瓦チップを「被覆材」として施工した事例=鶴岡市の山形銀行みどり町支店

瓦チップをコンクリートに混ぜて土台に=鶴岡市羽黒町の出羽三山神社大鳥居
瓦チップをコンクリートに混ぜて土台に=鶴岡市羽黒町の出羽三山神社大鳥居


2022年(令和4年) 08月02日(火)付紙面より

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酒田“新玄関口”光の湊 グランドオープン にぎわい創出 高まる期待

 酒田市幸町一丁目のJR酒田駅前で進めてきた第一種市街地再開発事業「光の湊」が竣工(しゅんこう)し31日、グランドオープンした。1997年8月の旧ジャスコ酒田駅前店撤退から四半世紀。市立図書館を中心とした公共施設「ミライニ」、ホテル、レストランなどが入った複合施設、土産販売店も入った立体駐車場、分譲マンション、広場、バス停留所で構成する酒田の新たな「玄関口」の完成に、駅周辺のみならず市全体のにぎわい創出、活性化に向けて期待が高まる。

市民が集い若者が活躍できる施設に

 同事業は、市と西松建設の共同出資による特別目的会社「光の湊」(同市、平澤資尊社長)が主体となり2017年1月にスタート。酒田駅前の旧ジャスコ跡地を中心とした敷地約1・4ヘクタールで足掛け6年の歳月をかけて整備を進めてきた。

 一昨年11月に先行オープンした複合施設棟は鉄骨造り8階建て。公共施設「ミライニ」は、市立図書館の他、憩い・集いの場となる「エンガワラウンジ」、観光案内所、学習室などで構成。月見(同市、白旗夏生社長)のホテル「月のホテル」とレストラン「ALL DAY DINING月のみち」、日新開発(同市、五十嵐渉社長)のレストラン・バンケット「ル・ポットフー」などが入る。

 262台の駐車が可能な立体駐車場は今年4月に供用を開始。1階部には庄交コーポレーション(鶴岡市、國井英夫社長)の庄交バスターミナルと庄交トラベルが移転し入居、庄内観光物産館ミライニ店を新たに設置した。居住棟は鉄筋コンクリート造り10階建てで全57戸。延べ床面積約5150平方メートル。

 また、一面を芝生で覆ったミライニ広場はウッドデッキ付きで、演奏会なども開催可能。その北側にはJR酒田駅周辺にあるバス停留所をまとめた「酒田駅前バス停留所」を配置し、市乗合バス「るんるんバス」、庄内交通の高速・定期バスが発着する。光の湊全体の事業費は110億円。

 ミライニ広場で同日午前、式典が行われ、矢口明子副市長が「酒田駅前の再開発は長年にわたる市民の悲願。皆さんの力添えのおかげで、ようやくグランドオープンすることができた。多くの市民が集い、将来を担う若者たちが活躍できる施設になるよう期待したい」とあいさつ。酒田吹奏楽団の演奏の中、関係者がくす玉を割って祝った。

 グランドオープンを記念し同日夕には「光の湊イブニングコンサート」と銘打ち、酒田フィルハーモニー管弦楽団がミライニ内に華やかな音色を響かせた。今後も月末を中心に演奏会を開催。次回は8月27日(土)午後5時半からで、東北公益文科大アカペラサークル「まごペル」が歌声を披露する。

関係者がくす玉を割り、酒田の新たな玄関口の完成を祝った=31日午前
関係者がくす玉を割り、酒田の新たな玄関口の完成を祝った=31日午前

ミライニ内に華やかな音色を響かせる酒田フィルのメンバー=31日夕
ミライニ内に華やかな音色を響かせる酒田フィルのメンバー=31日夕



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