
人懐こい職人さんがにぎる格安お寿司(すし)をどうぞ―。酒田市のアメヨコ内に昨年暮れにオープンした立ち食い寿司「鮨屋のけんちゃん」。停滞感が漂う港街に元気を取り戻そうと、小さな店で奮闘している。
寿司をにぎるのはこの道50年余というけんちゃんこと、沖津賢次さん(69)。宮城県出身の沖津さんは昨年、奥さんの出身地である酒田へ。駅東で店を開いたが思うようにいかず次の手を探っていたところ、知人でアメヨコに入店している「こいかわ酒店」の高橋伸一社長から誘われ、同酒店の一角を改装して店を開いた。
珍しい立ち食いスタイルの店はカウンターと、座席が1組。「手軽にいっぱい食べてもらいたい」と1個50円からという驚きの値段! 好きなネタを頼んでにぎってもらうのもいいが、500円で10種のネタが味わえる「おまかせ十カン」がおすすめ。注文してから出てくるまで時間もかからないので昼時はサラリーマンにも人気という。
「50円というとそれなりの味だろうと思う方もいらっしゃるでしょうが、シャリのこだわりなど値段以上の味」と高橋社長が太鼓判を押すように、サバやふっくら厚い玉子焼き(いずれも50円)などはさすが職人技と思わせる味。さらに海外でも寿司を握った経験がある沖津さんのユーモアたっぷりのおしゃべりも店の売り。「ブスっと食べているお客さんにはワサビを多めにしたりして」なんて笑って話せてしまうのはご愛きょうか。
寿司は持ち帰りもOK(容器代10円)で、皿などの持ち込みも歓迎。イベントなどへの出張にも応えてくれるそう。「まずは1回、食べてみてよ」と話す沖津さんの笑顔がアメヨコに新しい空気を吹き込んでいる。
(2007年4月掲載)
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