
鶴岡市立第二中学校近くにある「麦や」は、ご主人の佐藤博さんが脱サラして始めた手打ちうどんの専門店。2002年に「きつねうどん」「カレーうどん」「麦きり」の3つだけでスタートしたが、今ではバリエーションも増え、季節限定や土日限定メニューも好評だ。
職場の人員整理に遭い、それまで趣味だったうどん作りを本業にしようと、プロを養成する群馬県の道場に通ってノウハウを身につけ、旧温海地区でそば屋を経営する同級生の店で接客を学んだ。「それまでは機械が相手だったので、人と言葉を交わすことも少なくて」と当時を振り返る。めん打ちにはアルカリイオン水と笹川流れの天然塩を使用。熱いメニューと冷たいメニューではめんの太さを変える。大きな釜で7分ほどゆであげ、いったん流水で締め、さらに湯煎したり氷水に取ったりしている。冷たいメニューの時、どんぶりが冷凍庫の中から出てきたのには驚いた。
人気は「カレーうどん」。通常は豚肉を使うが、肉が食べられない常連のリクエストで作ったのが、揚げが入った「こんこんカレーうどん」やホウレン草入りの「ポパイカレーうどん」。好評だった冬メニューの「鍋焼きうどん」が終了し、代わりに登場したのが春限定の「めかぶっかけうどん」。めかぶと絡める辛味大根は、店の隣の自家菜園で採れたもの。オクラやモロヘイヤ、ナス、カボチャなど自前の野菜が出されるのを待ち望む常連客も多い。ケーナ愛好会に所属するというご主人の好みなのか、店内にはフォルクローレが流れる。哀愁を帯びた音色を聞きながら、うどんを食べるのも粋かもしれない。
(2008年4月掲載)
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