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海坂藩旅歩き

旅の家「皓鶴亭(こうかくてい)」

「鶴岡の隠れ宿」として県外客の人気を集めている「皓鶴亭」

県外在住の観光客を対象にした鶴岡市家中新町の短期滞在型宿泊施設・皓鶴亭(こうかくてい)が「鶴岡の隠れ宿」として人気を集めている。市内の建築家や不動産業者などで組織する団体「NPO鶴岡城下町トラスト」が風情のある民間の空き家を改装し「旅の家」として今年(05年)1月に開設した。6月までの利用はいまひとつだったが、夏以降に急増。トラスト事務局では「最初は月に1組か2組ぐらいの利用があればいい方だと思っていたが、7月に入ってからこれだけ予約が相次ぐとは思わなかった。利用者の半数は藤沢周平ファンの年配夫婦が多い」と映画公開による藤沢効果が人気のひとつとみている。

皓鶴亭は、ゆっくり宿泊してもらいながら城下町・鶴岡の魅力に浸ってもらおうと開設した。昭和の初めに建てられた木造一部2階建てで、致道博物館の近くにある。開設する前、家主から借り受けて内装を手直しし、旅館業法の許可も取得した。

利用対象は県内出身で現在は県外に住んでいる人、または全くの県外在住者。原則的に3泊4日以上からの宿泊を受け付けている。食事は付かないが、炊飯器や電子レンジ、冷蔵庫、食器一式、流し場を備え、炊事は自由に行える。このほか、風呂や布団(5組)、市内観光用の自転車、藤沢周平の作品も備えており、藤沢ファンにはうれしい。

宿泊料金は1人1泊につき3,000円。2人の場合は4,000円、3人の場合は5,000円と利用人数によって割安に設定した。

藤沢周平の作品「蝉しぐれ」などの文庫も

トラスト事務局によると、宿泊期間は3~4泊が中心で、藤沢周平のゆかりの地を訪ね歩く年配夫婦や家族、早稲田大学のまちづくり研究会の学生、鶴岡出身で現在、海外(米国ロサンゼルスやドイツ)に住んでいる人が、家族と一緒に自分の生まれ故郷を紹介しようと訪れたケースがあるという。宿泊客からは「一軒屋でプライベートが保たれた。自分の家のよう」「外に庭もあるし、落ち着いた雰囲気がいい」「食事が付かなくても安い料金でゆっくりできる」と好評だったという。

中には「会社勤めの関係で4日間(3泊4日)も休みがとれない。2泊3日でも利用できるようにしてほしい」という要望もあり、今後、運営方法について検討することにしている。

トラスト事務局では「グリーンツーリズムのひとつとして農村地帯の農家を宿泊施設として提供している所は多いが、『皓鶴亭』のように市内の中心部の空き家を活用したケースは少ない。藤沢ブームの効果も大きいが、ちょっと変わった鶴岡の穴場的な宿としても人気を集めているようだ」と話している。問い合わせなどはNPO鶴岡城下町トラスト事務局=電070(5471)8599=へ。

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