山形大学は本年度から3年間の計画で、鶴岡市出身の作家・藤沢周平さんを研究する特別プロジェクト「藤沢周平の山形」に取り組むと発表しました。食文化や方言などもテーマに組み込んだワークショップ、県内外での講座開催などが予定されており、山形大学では「藤沢作品の魅力と本質を追求し、作品の舞台となった山形の文化と自然の価値を西評価し、日本人の心の豊かさの向上に役立てることを目指す」としています。
藤沢さんは、山大地域教育文化学部の前身である山形師範学校を卒業しました。庄内藩が舞台とされる「海坂藩」ものをはじめ、県内各地を舞台にした歴史小説、時代小説を数多く執筆しました。没後10年を経て作品の人気はさらに高まり、作品の舞台となった庄内など山形県内にも全国の関心が集まっています。
特別プロジェクトに取り組む理由について山形大学は「藤沢さんの作品には日本人が忘れ去ろうとしている自然との共生や地域の風土への限りない愛着が込められている。大学が追求している『地域に根ざし、世界を目指す』『自然と人間との共生』という理念を、藤沢作品が体現している。地球環境の危機が叫ばれる中、藤沢作品を取り上げることは、大学の責務」と説明しています。
プロジェクトは
▽ワークショップ開催
▽講座・授業の開講
▽聞き書き
▽記録の公刊
―の4つの事業を計画しています。このうち、ワークショップは庄内や東京などで開催され、藤沢さんの教え子たちへのインタビューのほか、俳優やアナウンサーによる作品の朗読などが予定されています。