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海坂藩旅歩き

藤沢周平記念館 来春オープンへ

開館が来春見通しとなった藤沢周平記念館(仮称)

鶴岡市が鶴岡公園内に整備を進めている「藤沢周平記念館」(仮称)の開館時期が、来年春となる見通しになりました。6月12日に開かれた市議会6月定例会の一般質問で、市教育委員会が明らかにしたものです。同記念館は当初、今年中のオープンを目指していましたが、「展示計画を具体化する作業に予想以上の時間を要している」(市教委)こともあり、年内の開館を見送るそうです。記念館の館長についても、来春の開館までに人選を進めることにしています。

記念館は、同市出身の作家・藤沢周平氏の業績と貴重な文学資料を後世に伝えるとともに、「藤沢文学の源」でもある鶴岡・庄内の文化、精神性を広く発信することを目的に、市郷土資料館跡地に整備が進められています。鉄筋コンクリート・鉄骨造り2階建て、延べ床面積約900平方メートルの建物は5月末に完成し、現在はコンクリートに含まれるアルカリ成分を抜くなどの養生を行っています。

施設の建設と並行して市教委は、展示・収蔵する資料の収集を進めてきました。これまでに著書や新聞・雑誌記事、朗読CD、映像など3548点を独自に収集。作品の背景となった郷里の歴史・文化に関する1000項目以上の事項を抽出しており、関連する400点余りの写真とともに最適な情報提供の方法を検討しています。

今後は展示物の制作、施設内の造作工事、展示解説グラフィックや映像ソフトの制作、収集した資料・情報のデータベース化、来館者が利用する情報検索システムの設計を進めていきます。施設内が資料の保存に適した環境に安定するのを確認しながら、展示内容を具体化する作業に時間がかかっているため開館の時期を見直し、気候の悪い冬期間を避けて来年春に延期しました。

記念館は市立の施設として市が管理運営を行い、施設の正式名称や入館料などを定める関係条例を早ければ市議会9月定例会に提案する予定です。記念館には館長と学芸員資格を持つ嘱託職員、市職員を配置する方針です。館長については「施設の目指す方向性と館長に求められる役割を考慮」(市教委)して人選していきます。

市教委は「特定の評価、評論に寄りかからず、藤沢さんがこよなく愛した鶴岡の風土性をありのままに味わい、感じてもらえる記念館となるよう、万全を期して開館準備に取り組んでいきたい」としています。

サイト掲載日/2009年06月23日
海坂かわら版
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