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医療最前線 こんにちは元気だのー 癌と生活習慣病を中心に

生活習慣病

鈴木 義広 (山形県立日本海病院神経内科医長)

鈴木 義広(県立日本海病院神経内科医長)

生活習慣病って何でしょうか。がん、心臓病、脳卒中の三大疾病は約10年前までは「成人病」と呼ばれていました。成人病ということは、自分自身のせいではなく歳をとるとやむを得ず病気にかかってしまうというイメージがあります。しかし年齢よりむしろ食生活や運動習慣、喫煙、アルコール、ストレスなどの生活習慣が病気を作り出すもとになっていることから「生活習慣病」と呼ばれるようになりました。そして「成人病」の時代は、病気の早期発見、早期治療に重点がおかれてきましたが、現在は生活習慣の改善により予防できることが多く、予防医学が重要とされています。

生活習慣病は国民の死亡原因の3分の2近くを占めています。生活習慣病には冒頭の三大疾病のほか、特に心臓病や脳卒中を引き起こしやすい糖尿病、高血圧、高脂血症(コレステロールや中性脂肪が高いこと)、肥満も含まれます。さらに肝臓病や骨粗しょう症、歯周病なども含まれています。糖尿病、高血圧、高脂血症の三つは自覚症状がないことが多く、健康診断などで数値が高いといわれても放っておく方もいますが、これらは動脈硬化から心臓病、脳卒中につながることから、「沈黙の殺人者」とも呼ばれています。日本人の約1400万人の人が糖尿病にかかっており、高血圧と高脂血症は合わせて3000万人とも4000万人ともいわれています。

これら生活習慣病は、若い時から正しい食生活、運動、休息を身につけることで予防できます。つまりバランスのよい食事、適度な運動、十分な睡眠、そしてタバコをやめること、さらにアルコールは飲んでもほどほどに、を心がけてください。もう自分は若くないから、とあきらめないでください。今からでも遅くはありません。少なくとも動脈硬化の進行を抑えることはできます。バランスのよい食事とは具体的には、日本人を長寿にならしめた和食が基本です。つまり主食に魚や肉などの主菜、野菜などの副菜を組み合わせて1日30品目以上とすること、特に野菜は動脈硬化の予防によいのでおすすめです。そして肉より魚、特にイワシ、サンマ、サバなどの青魚は血液サラサラ効果があります。また時に東北地方は寒いためか塩分の取りすぎが多い傾向があり、高血圧を引き起こしやすくなっています。薄味を心がけ、漬物やみそ汁は控えめにしましょう。また適度な運動とは、ランニングとか球技などの過激な運動ではなくて、まず散歩がおすすめです。都会の人よりむしろ地方の人のほうが車に頼ってしまい歩く量は少ないようです。意識して散歩などの有酸素運動を1日30分くらいは続けてみましょう。

さて「こんにちは元気だのー」では前回まで主にがんについてとりあげてきました。がんも生活習慣病のひとつではありますが、次回からは動脈硬化につながる病気についてしばらく特集したいと思います。

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