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こんにちは元気だのー 医療:最近の話題

傾聴ボランティア

磯辺 一雄 (日本海病院ボランティア会傾聴ボランティア「庄内傾聴塾」)

磯辺一雄氏の写真

私たち「傾聴ボランティア」が、日本海病院の患者さんをベッドサイドや面会室に訪問して傾聴させていただくようになって3年になります。「傾聴」とは日常的にあまり聞き慣れない言葉だと思いますので、日本海病院の入院案内に記されている「傾聴ボランティアと話しませんか」のご紹介をしてご理解をいただきたいと思います。

『傾聴ボランティアとは、病院や特別養護老人ホーム、あるいは福祉施設に患者さんやお年寄り、障害を抱えて生きている人など、援助を必要としている人々を訪問して、そのさまざまな想いや言葉に耳を傾けることで共感と心のケアを共にすることをめざすボランティアです。

人は誰でも、元気なときでさえも、誰かに「聴いてもらえること」を必要としています。まして孤独で病に臥(ふ)せるとき、老いと死に直面しているとき、その心の想いに耳を傾け共感してくれる人を必要とするのです。

「なぜこんなに苦しまねばならないのか」「いったい私の一生は何だったのだろう」「たったひとりでたまらなく寂しい」「昔のこと、聴いてほしい……あの頃は楽しかった」。体が病むとき、心も不安と孤独に波立ちます。胸にわき上がるさまざまな想いや願いは、誰かに聴いてもらうことを求めています。そして心から聴いてもらえたとき気持ちが落ち着き、人は現在(いま)を生きる力が湧いてくるのです』

 以上のような内容です。これが私たち傾聴ボランティアの目的であり目標でもあります。

困難のなかにあって苦しんでいる人を訪問して、傾聴によって共感と心のケアを目指す活動をするためには、ボランティアといってもしっかりとした基盤の上に立った系統的な教育と訓練を受ける必要があります。私たちの場合は傾聴ボランティア「日本傾聴塾」(主宰京都ノートルダム女子大学教授 村田久行氏)に連なる「庄内傾聴塾」の指導者による、講義と実習を中心とした養成講座を受講し認定をパスして活動することになります。

現在「庄内傾聴塾」の会員は、庄内全域をはじめ最上や内陸の一部でも病院や施設への訪問活動を続けております。また常に良い聴き手であるために、月1回の継続した研修会、他地区の傾聴塾(札幌、神奈川、京都、大阪など)との交流を図り、合同の研修の場を持つなどして訓練を積んでおります。

「傾聴」の現場では学んだことが生かせるように心掛け、耳と目と心で集中して相手のすべてのメッセージを受け止めることに努力しています。ただ聴くだけの一方通行ではなく、相手の方に「自分の話をわかってもらえた」と実感していただくことが最も大切なポイントだからです。それができた時、今まで一人で考え苦しんできた想いをボランティアに話すことで気持ちが落ち着き、考えがまとまってご自身で対処方法を見いだされます。私たちはいく度かそうした体験をしてきました。傾聴ボランティアがそばにいて聴き役になるという単純な行為のようですが、それが良い援助につながることを再認識させられます。

病院の傾聴でも、患者さんがさまざまな想いを私たちに話されることでご自身を勇気づけようとされる姿に接して、患者さんへの尊敬の思いと学んだ多くのことが心に残っております。

私たちは「傾聴」というものが確かな援助になることを実感しています。その事を信じて、今日より明日がもっと良い聴き手になれるように実活動と研修を重ねて、一人でも多くの方のお役に立てればと願っております。当然のことですが伺ったお話の内容については守秘義務を守ります。傾聴ボランティアについてのお問い合わせは看護師さんまたは地域医療室(0234(26)2001 内線1881、1882)までお願いします。

2008年1月15日 up

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