2024年(令和6年) 5月21日(火)付紙面より
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「庄内三大祭り」のトップを飾る「酒田まつり」が20日、本祭りを迎えた。酒田のシンボル・大獅子や工夫を凝らした山車が市中心街を練り歩いたほか、沿道には多くの露店が立ち並び、港都を祭り一色に染めた。
江戸初期の1609(慶長14)年から山王祭として始まった上日枝(浜田一丁目)、下日枝(日吉町一丁目)両神社の例大祭で、一度も欠かさず続けてきたことが市民の誇りとなっている。1976年10月に発生した酒田大火の復興宣言が行われた79年から、市を挙げた祭りにと現名称に改称し続けられている。鶴岡市の天神祭、大山犬祭りとともに「庄内三大祭り」と呼ばれる。
本祭り山車行列は午前10時からスタートし、26団体約2000人が参加。あいにくの雨模様となったものの、酒田ばやし保存会などによる軽快な演奏が街中に響く中、小学生や中学生が引く山車、市職員と東北公益文科大生が引く大獅子、酒田青年会議所による千石船・日吉丸などが、沿道の観客の拍手を受けて市役所前、大通り、寺町通りを威勢よく練り歩いた。
名物の獅子パックン体験のため、両親と共に訪れた同市旭新町の菅原依茉(えま)ちゃん(3)は「口の中は怖かったけど楽しかった」と。父親の貴也さん(31)は「千葉県出身なので獅子パックンは面白い文化。娘も驚いたようだけど泣かなかったね」と笑顔で話していた。
一方、19日夜に大通り緑地前ステージで行われた宵祭りでは、同市の太鼓道場「風の会」の演奏を皮切りに、各踊り団体など熱気あふれるステージを繰り広げた。
2024年(令和6年) 5月21日(火)付紙面より
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岸田文雄首相は19日、酒田市の日本海総合病院を訪れ、医療MaaS(マース)の診療車両など視察し、庄内地域で進められている医療DXについて関係者と意見交換した。
吉村美栄子県知事、矢口明子酒田市長、地域医療連携推進法人・日本海ヘルスケアネットの栗谷義樹代表理事、県・酒田市病院機構の島貫隆夫理事長らが出迎えた。加藤鮎子内閣府特命担当大臣(衆院山形3区)が同席した。
今月から同機構が運用を開始した慢性疾患の人など中山間地の受診困難患者を対象に、遠隔診療機能を備えた車が出向くことで来院せずに医療サービスが受けられる医療MaaSの診療車両やマイナンバーカード受付専用機を視察。引き続き、関係者との意見交換が行われ、岸田首相は日本海ヘルスケアネット設立の経緯、連携推進によるメリットや全国に同様の仕組みを広める際のポイント、医療DXでは電子カルテなどの情報共有、医療・介護連携などについて質問していた。
岸田首相は意見交換後、報道陣に対し「政府として医療界、産業界と一丸となって医療DXの実現に取り組み、12月のマイナ保険証への移行に向けて万全の準備を進める。マイナ保険証は医療DXを進めるための基盤となるもの。全ての人が安心して保険診療を受けられる環境整備を進めていきたい」と語った。