2021年(令和3年) 5月13日(木)付紙面より
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「ふじ(藤)の花」をキーワードにまちづくりを推進している鶴岡市藤島地域の中心部で、フジ棚の花が開花期を迎え、空を覆うような紫色の花と甘い香りが初夏の訪れを告げている。
同地域では1992年から地名にちなみ「日本一ふじの里づくり」を掲げ、住民にフジの苗を配るとともに、公共施設や中心部の道路沿いにフジ棚を整備している。
最もフジ棚が集中する市藤島体育館周辺には、8種56本のフジが植えられている。市藤島庁舎産業建設課によると、今年は例年よりやや早い先月末ごろから咲き始め、今は紫色の濃いカピタン藤や野田藤などが満開となった。
晴天となった11日午後、藤島体育館南側のフジ棚(延長約400メートル)には地元住民らが三々五々訪れ、「いい香り」などと言いながら、満開のフジ棚の下を散策する姿が見られた。
同課によると、今後、野田白や薄紅藤などが開花し、今月20日ごろまでは咲いているという。恒例の「ふじの花まつり」(今月8、9日)は昨年に続きコロナ禍で中止。人気アニメ「鬼滅の刃」でフジの花は鬼が嫌うことから、「病魔退散」の願いを込めて写真に収めていく人もいるという。