2008年(平成20年) 9月21日(日)付紙面より
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アフリカの5カ国から鶴岡市に稲作研修に訪れている研修生が19日、市役所を表敬訪問し、同市の農業施策の概要について説明を受けた。
国際協力機構(JICA)が実施する研修生派遣事業で、海外からの稲作研修の受け入れ実績がある山形大農学部が委託先に選ばれた。受け入れは今年から3年間継続で行われ、収穫や収穫後の処理を中心にアフリカ諸国への技術移転を目指す。農学部によると、市や市農協、生産者が密接に結び付き受け入れ態勢が充実していることも委託先に選ばれた理由の一つという。
今回派遣された研修生は、アフリカ諸国でも稲作が盛んなギニア、セネガル、マリ、ブルキナファソ、マダガスカルの政府や研究機関の20―50代の関係者計10人で、今月9日に鶴岡入り。来月3日までの約1カ月間、栽培技術、収穫や脱穀、乾燥、貯蔵の基礎技術などについて、農学部での講義と現場実習に取り組んでいる。
市役所の表敬には研修生9人が訪れた。佐藤智志副市長が「有意義な研修になることを期待している」と歓迎。研修生の代表は「稲作が盛んな5カ国だが、技術的には未発達なところもあり、各国の農民のため鶴岡に学びに来た。これまでの研修では有益な情報をいただき、鶴岡の支援と協力に感謝している」と述べた。
研修生の受け入れを担当している農学部の安藤豊、夏賀元康両教授は「3年間の研修の初年度ということもあり、アフリカの研修生たちがどの分野の技術移転を最も望んでいるか手探りで進めている。先端の稲作技術だけでなく、庄内の稲作の歴史や文化も伝えていきたい」と話している。
市役所を表敬したアフリカ5カ国からの稲作技術研修生