2015年(平成27年) 9月17日(木)付紙面より
ツイート
安倍晋三首相夫人の安倍昭恵さんが15日、鶴岡市の慶應義塾大先端生命科学研究所(冨田勝所長)を訪れ、先端研の研究助手や特別研究生の地元高校生らと懇談した。昭恵さんは「世界最先端の技術に触れながら研究できる皆さんは、全国の高校生の中でも特別な環境にいる。感謝の心を大事にして自分の好きな研究を続け、大人たちを刺激してほしい」と励ました。
全国各地で開かれている「高校生未来会議」に参画するなど教育活動に取り組んでいる昭恵さんが知人を通じ、地元の高校生を受け入れている先端研の教育システムに強い関心を寄せ、仲間たちと15日から1泊2日の日程で鶴岡市を訪れた。
15日は先端研のメタボロームキャンパスや隣接する合成クモ糸繊維のバイオベンチャー・スパイバーを視察した後、高校生18人と地元出身の慶應大学生6人との懇談に臨んだ。初めに鶴岡中央高時代に研究助手として採用された慶應大3年の松田りらさん、鶴岡南高時代に特別研究生だった同大2年の安達景都さんの地元出身大学生2人と、現在特別研究生として先端研で研究を続けている鶴岡南高3年の大戸麻矢さん、同校2年の岡部晴子さん、鶴岡東高3年の鈴木昌樹君がそれぞれの研究内容を発表した。
懇談では昭恵さんが、どんなことをきっかけに研究テーマを見つけたかなどを質問し、高校生たちは、先端研の研究内容や指導に当たる学部生や大学院生らに触発されたことなどを説明。昭恵さんは「皆さんが目的を持って素晴らしい研究を行っていることにとても感動した。受験勉強中心の詰め込み教育に疑問を感じているが、若いうちから科学者を育てようとするここの取り組みはすごい。主人の総理も教育が最も大切だと常々言っている。全国の高校生たちに皆さんがこの取り組みを伝えてほしい」と述べた。
アカハライモリの再生に関する研究を発表した大戸さんは「私たちは恵まれた高校生だということをあらためて知ることができた。高校生を受け入れてくれる研究所があることを、全国の仲間に伝えていきたい」と話した。冨田所長は「昭恵さんは全国各地の高校を訪問するなど教育への関心が強い。日本の教育を変えようという鶴岡の取り組みを広げるため、昭恵さんの発信力に期待したい」と話していた。