2015年(平成27年) 9月18日(金)付紙面より
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鶴岡工業高校(菅原和明校長)の建築科1年生を対象にした建設工事現場見学会が16日、鶴岡市内で行われた。市内各地の新築工事や修理工事の現場を見学して建設業への理解を深めた。
県建設業協会鶴岡支部青年部(部長・本間悟佐藤工務企画営業部課長)が同校の生徒を対象に毎年実施。工事現場の雰囲気を肌で感じてもらい、建設業への就労意欲向上につなげる狙い。
この日は生徒40人が青年部の約20人と共に、鶴岡市文化会館と鶴岡バイオマス発電所、ママ家有料老人ホームの新築工事現場や、鶴岡南高校講堂天井落下防止工事現場、旧鶴岡警察署庁舎保存修理工事現場の6カ所を見学。
このうち、国指定重要文化財の旧鶴岡警察署庁舎では、工事請負業者の担当者から「今回の工事の目的は、建物を建築当初の姿で後世に残し、文化的な価値を資料にまとめること。現在、何万もの部材に番号付けして資料に残しているところ」などと保存修理工事の概要が説明された。
生徒たちは、今後10月下旬から11月にかけて予定している曳家(ひきや)工事に伴い、軸部が基礎からリフトアップされている状況を確認。「全体の重さは」「地盤沈下が起きやすい所に新築の家屋を立てることは可能か」などと質問しながら興味深そうに見学した。
山口蒼さん(16)は「工事現場は初めて。貴重な体験になった」、長南憧さん(15)は「将来は大工になりたい。自分で手掛けた建物は後世に残ってほしいと思う。保存修理工事の大切さが分かった」とそれぞれ話していた。