2019年(平成31年) 4月11日(木)付紙面より
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1988(昭和63)年以来の大規模な保存修理工事を終えた鶴岡市の鶴岡公園にある大寶館(市指定有形文化財)で、企画展「鶴岡の手仕事」が行われている。御殿まりやいづめこ人形など、鶴岡の代表的な工芸品を作り出した職人たちとその作品などを紹介している。同館の担当者は「公園は間もなく桜の季節。職人の手仕事のぬくもりを伝える企画展とともに、きれいに修繕された大寶館の歴史建造物を見に来てもらいたい」と話している。
鶴岡ゆかりの32人の郷土人物資料を常設展示している大寶館は、昨年11月に一時閉館し、屋根の吹き替えや白壁の内外装の塗装、天井や建具修繕など保存修理工事を行っていた。先月までに工事を終え、今月6日から開館している。
企画展では、「御殿まり」の再現に成功した上野富美(1908―1990年)、花紋燭(かもんしょく)と呼ばれた鶴岡の「絵ろうそく」を復活させた富樫雄治(1932―2009年)、明治時代に「竹塗」の技法を考案した阿部竹翁(1839―1912年)、「いづめ子人形」を考案した大滝武寛(1882―1937年)の鶴岡の4人の職人にスポットを当てている。
写真資料や本人が制作した工芸作品などとともに、解説パネルを添え、現代に伝承されている鶴岡の手仕事と職人たちの生涯を紹介している。このうち大滝武寛のコーナーには、大滝作と伝わるいづめこ人形や図面、いづめ(飯詰)に入った赤ん坊の古写真などが並んでいる。企画展は3月末まで。
入館無料。開館時間は午前9時から午後4時半。水曜日定休。