2020年(令和2年) 3月29日(日)付紙面より
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酒田市の酒田まつり実行委員会(実行委員長・弦巻伸酒田商工会議所会頭)は27日、今年の酒田まつり(本祭り・5月20日)について、新型コロナウイルスの感染拡大防止を図る観点から、呼び物の山車行列などは行わず、神事を中心に規模を縮小して開催する方針をあらためて発表した。
事務局の市交流観光課によると、24日に実行委員会を開いて決めた。実施を見送るものは、露店の出店、興行(昨年は猿回しなど)、山車行列、式台の儀。いずれも大勢の人が集まり、クラスター(集団感染)発生のリスクが高くなるためという。露店は例年、日和山公園から中通りにかけて約300店が出店し、大勢の家族連れが繰り出す。山車行列は、昨年は47団体の約3600人が参加して市中心部を練り歩くなど、酒田まつりの呼び物となっている。
宵祭り(5月19日)は規模を縮小して実施する。昨年に実施した花魁(おいらん)道中や黒森歌舞伎など参加団体が出演するイベントは実施しない。高さ20メートル超の山車「立て山鉾(やまぼこ)」の設置の有無は、先の実行委では結論を出さず、設置主体の酒田青年会議所が検討課題として持ち帰った。結果は4月7日に実行委側に説明する予定になっている。
江戸・慶長14(1609)年から一度も欠かさず続けられている山王祭の神事として、上、下両日枝神社の各神事、上、下両神宿(とや)の開設、渡御行列は、例年通り実施する。ただ、渡御行列の稚児行列は今後、実施の有無を検討する。
市交流観光課では「クラスター感染のリスクが高くなる機会をつくらないことと、400年以上も一度も欠かさず続けられてきた伝統を継承する2点に留意した決定であり、ご理解を」としている。