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2020年(令和2年) 11月7日(土)付け紙面より

森林破壊で取り残されたゴリラの怒りと孤独表現 村上さん(白甕社鶴岡市)日展に初入選

 庄内地方を拠点にした美術団体「白甕社」運営委員の村上幸志(たかし)さん(68)=鶴岡市上畑町=が、日展(本部・東京都)の「改組 新第7回日本美術展覧会」(今月22日まで、東京・国立新美術館)の彫刻部門で初入選を果たした。地元の杉間伐材を使い、ゴリラを彫り上げたもので、村上さんは「知らずに自然を破壊している悲しみを表現したかった」と話している。

 村上さんは鶴岡市生まれ。小学3年の時、木登りの様子を描いた絵が文部大臣賞を受賞した。鶴岡南高では、美術教師で後に洋画家として独立した齋藤求氏に師事し、絵画を制作。首都圏の大学卒業後は重機メーカーに就職した。秋田市に単身赴任していた2001年には林業関係者と親しくなり、「秋田木登りクラブ」を設立。木に触れる機会が増え、独学で彫刻を始めた。

 定年で帰郷後の2017年、白甕社会員になった。それまでは著名な絵画の人物をモチーフにした作品などが多かったが、入会後は「創作」を強く意識するようになり、同年から日展に出品。今回、4度目の出品で初入選を果たした。

 入選作は「森・憤怒」。高さ約1・2メートル、幅、奥行きとも約60センチの木彫で、人間の森林破壊によって取り残されたゴリラの怒りと孤独を表現したという。

 以前から前京都大総長の人類学者で、霊長類研究の第一人者・山極壽一さんの本をよく読んでいた。2年ほど前からゴリラをモチーフにする構想を抱き、書物や動画を見るなどしてイメージを固めていった。今春、山極さんが新型コロナウイルスについて「自然破壊が真因」とする新聞寄稿を読み、テーマを決めた。中央の展覧会では高価な材料を、高い技術力で完成度高く仕上げる人が多い。しかし村上さんは敢えて地元の間伐材を使い、5月から約半年かけ、なたやカッターなどで夢中に彫り上げた。

 村上さんは「出品直前に大きなひびが入り、修復に追われた。今年も駄目だと思ったが、むしろ勢いや動きが出た形になり、それが評価されたのでは」とみる。

 そして、「最近の子どもは木登りをしなくなった。みんな『森は大切』だと言うが、暮らしの中で実践できるかは、幼い頃から木を肌で感じるような体験をしてきたかによる。知らず知らずに自然を遠ざけ、破壊している悲しみなどを表現したかった」とする。入選には「最初は周囲にも信じてもらえなかったが、徐々に実感がわいてきてうれしい。今後はさらに上の特選を目指し頑張る」と語った。

入選作の「森・憤怒」
入選作の「森・憤怒」

日展の彫刻部門で初入選した村上さん
日展の彫刻部門で初入選した村上さん



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