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2020年(令和2年) 12月22日(火)付紙面より

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有機農法は人を幸せに 庄内らしいかたち考える

 知の拠点庄内シンポジウム「庄内らしい有機農業のかたちを考える」が20日、鶴岡市先端研究産業支援センター(鶴岡メタボロームキャンパス)内レクチャーホールで行われた。節目の第10回の今回は3部に分けられ「有機農業の技、教えてください」と題した6人の農業者の座談会が沸かせた。

 山形大農学部の平智教授が進行役を務めたが、好リードもあって「匠(たくみ)」格として、この道40年の藤島地域・志藤正一さん(72)が自らのたどって来た道を語った。「虫に食われていても“あなたの作物を買うからね”と消費者に言われることもある」と言い「農業者自身が取り組むことで幸せになり、消費者は食べて幸せになる。有機農法は“人の幸せにつながる”という意味合いでやっている」と語った。

 各人とも雑草や病害虫をどう減らすかが重要課題で、周囲からは「うまくいくはずがない」という否定的な見方が多い。「それでも“私は有機農法をやりたい”というきっかけづくりを多く持ちたいし、誤解を解いていきたい」と意気込みを話した。

 鶴岡市は現在73ヘクタールで米を有機栽培しているが、令和10年には100ヘクタールに伸ばしたいという。ただ、この3割増プランに「7年後でこの規模では少ない。もっとやれるというネットワークを構築しなければ」と市サイドに注文、要望していた。

 また中堅の実践者として、青森出身で鶴岡在住の對馬(つしま)啓太さんは「有機農業と伝統の山伏文化が共有できないか?」。冨樫俊悦さんは「海の残渣(ざんさ)物なども肥料として利用できるはず。海も里もある庄内の地域性を生かしたい」などと語っていた。

 鶴岡市は今後も学校の有機米給食やイベント開催などで有機栽培を広めていきたい方針という。

 意見交換に先立ち、横地洋氏(農林水産省生産局農業環境対策課長)が「日本と世界の有機農業の実態」と題してリモートで講演。次いで鶴岡市農林水産部の高橋和博部長が「地元の有機農業の現状と今後の展開」として講演した。

 「知の拠点庄内」は庄内地域の4つの高等教育・研究機関(慶應義塾大、山形大農学部、鶴岡高専、東北公益文科大)が毎年シンポジウムを行っているもの。今回は公益大が幹事となり、新型コロナウイルス感染拡大防止のため会場30人、リモート70人の計100人で行われた。

 オンライン参加の公益大・温井亨教授 雑草の種をカモに食べさせ、なくさせたり、土の中の微生物を使って有機農法に生かす取り組みなど非常に参考になった。イタリア人は有機の商品を多く買うが、消費者が風景の保全に一生懸命でもある。庄内の風景、文化も同じに考えられないか。有機農法は今後も大事なキーワードと思う。

実践者、新規就農者らが有機農法に関して話し合った
実践者、新規就農者らが有機農法に関して話し合った



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