2021年(令和3年) 4月25日(日)付紙面より
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酒田市内で新型コロナウイルスの感染が急増傾向にあることを受け、丸山至市長ら5人は23日、感染拡大阻止に向けた6項目から成る共同宣言を発表した。手指消毒の徹底、不織布マスクの着用などを広く市民に呼び掛けている。
市内の保育施設でクラスター(感染者集団)が発生するなど、同日までの直近1週間で21人の新規感染を確認。市教育委員会によると、感染が確認された生徒が通う中学校2校が現在、休校しているという。21人という数は、昨年12月上旬に市内の病院でクラスターが発生した際の23人に次ぐ多さ。間もなく大型連休が始まることから市民が心ひとつに総力を挙げ、この難局を乗り越えようと共同宣言をまとめた。
丸山市長と共に名を連ねたのは、小松原俊市議会議長、鈴木和仁市教育長、佐藤顕酒田地区医師会十全堂会長、島貫隆夫日本海総合病院長。宣言では▽手指消毒の徹底と小まめな換気の励行▽不織布マスクの着用▽体調がすぐれない場合の早期受診▽会食はいつも一緒にいる人と短時間で▽県境をまたいだ移動の自粛▽事業者は休暇取得への理解を―の6項目を市民に呼び掛けている。
同日午後、丸山市長と小松原議長、鈴木教育長、佐藤会長が臨時の会見を開催。丸山市長は「世代を問わず感染者が出ていることに危機感を持っている。今が正念場。6項目を市民から理解してもらい、これ以上は広がらないよう市を挙げて取り組んでいきたい」と話した。また、酒田まつり(来月19、20日)をはじめとした開催予定のイベントについても言及し、「今後の感染状況によっては中止も視野に判断したい」と語った。
佐藤会長は「昨年12月のクラスターは発生箇所が限定的だった。今回は多岐にわたり、幅広く感染が広がっている。気を引き締めて感染予防の基本を忠実にやり抜き、拡大を阻止しなくては」と述べた。
一方、市は「STOP差別・偏見」と題したメッセージも発表、「感染した人や家族、医療従事者への差別・誹謗中傷はあってはならないこと。このような心無い言動は過度な不安をあおるだけでなく、感染拡大防止の妨げになる」「不確実な情報に惑わされることなく、冷静な行動を」と訴えている。