2021年(令和3年) 4月27日(火)付紙面より
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日本政策金融公庫酒田支店長 栗田憲二(くりたけんじ)さん
1月4日付の人事異動で、国民生活事業本部リスク管理部から酒田支店長兼国民生活事業統轄に。これまで東京、出身地の静岡、愛知各都県で勤務し、東北地方は初めて。前任時に4日間ほど酒田に滞在、「鳥海山や月山の美しさ、食の豊かさに魅了された」と。「まさかここに住むことになるとは思わなかった。県外から来た者にとって地域の人たちの温かさも魅力」と語る。
酒田支店では庄内地方の多くの顧客に事業資金を融資しており、現在は新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者向けの特別貸し付けも扱っている。「人口減少、高齢化といった従来からの構造問題に加え、コロナ禍に伴う経済・社会活動の停滞で、小規模事業者は厳しい経営環境に置かれている」と話す一方、「新しい生活様式が広がりを見せる中、新たな事業機会が生まれており、そうしたチャンスを捉えた創業、業態転換、事業承継への取り組みも期待できる」とも。
その上で「最大の課題は、コロナ禍の長期化で苦境にある顧客の事業継続、成長を支援していくこと」と強調。難局を乗り越えるため地域の金融機関、商工会議所・商工会、自治体などと連携し、「個々の事業者の状況に応じた適切な支援に取り組んでいきたい。現時点で廃業・倒産の急増には至っていないが、街の活気は明らかに失われている。事業者が前向きになれるよう、今できることを一緒になって模索していきたい」。「アフターコロナ」「ウィズコロナ」を見据え、庄内地方のさらなる経済発展を思い描く。
静岡県沼津市生まれ。明治大法学部を卒業し1991年、旧国民金融公庫に入庫。趣味は庭いじりと読書だが、「単身赴任のため庭いじりは封印中」と。読書は歴史小説が主で、司馬遼太郎さん、藤沢周平さんらを好む。早速、鶴岡市の藤沢周平記念館を訪問した他、映画「蝉しぐれ」「たそがれ清兵衛」のロケ地を訪ね、「映画や小説の情景がリアルに蘇り、感動した」。52歳。