2021年(令和3年) 5月15日(土)付紙面より
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県庄内総合支庁長 高橋 正美(たかはし まさみ)さん
「人生で初めて、山形市以外に住む」と少し照れながら話す。4月1日付で、県土整備部次長から庄内総合支庁長に就任した。山形市生まれで、山形大人文学部を卒業し、県庁に入庁。これまでの勤務先は本庁や村山総合支庁など全て村山地方だ。
2013年からは2年間、危機管理課の復興・避難者支援室長として東日本大震災の避難者の住宅提供や支援団体のネットワーク化などに従事。「避難者のニーズを把握し、それに対応した細かい対策を考えた。ある意味、地域づくりの原点的な仕事だった」とする。
15年から2年間はみどり自然課長として「やまがた百名山」の選定にも携わった。「登山のこと以外にも、動植物や歴史など、県内各地の多彩な魅力を教えてもらった」と振り返る。
庄内の印象については「日本海から一気にそびえる鳥海山や庄内平野など、広々として風景はあらためてすごい。また、『食の都庄内』づくりを進めているだけあって、魚や野菜などいろんな食材がとてもおいしい」とする。
一方、庄内の課題については「若者の地元定着率の低さ」を指摘。今春の高卒就職者の県内定着率(2月末現在)は、村山91%、最上82%、置賜74%に対し、庄内71%という数字を挙げ、「郷土愛を醸成することが重要」とみる。本年度は若者の郷土愛を育む若者「庄」学校ワークショップなどに取り組む。逆に25―34歳はここ10年、転入超過が続いているため、「本年度はその実態を分析し、庄内の強みを確認して今後のUIJターン推進に生かす」という。
趣味は「特にないが、庄内に来てからは休日、観光名所を巡るのが楽しみ。北から攻めており、鳥海ブルーラインからの眺望や玉簾の滝のライトアップは印象的」。好きな言葉は「『継続は力なり』。何でもできる人間ではないので、継続することが大事」と飾らない言葉で公務員の矜持を示した。
1962年生まれ。86年に県庁に入庁。17年から人事課長、19年から県土整備部次長を歴任。家族は、山形市の自宅に妻と社会人の次男。ほかに社会人の長男、大学生の三男がいる。三川町内の官舎に単身赴任。58歳。