2021年(令和3年) 6月5日(土)付紙面より
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2022年に迎える旧庄内藩主酒井家の庄内入部400年記念事業を展開する実行委員会(委員長・皆川治鶴岡市長、委員18人)の第3回会合が3日、鶴岡市の東京第一ホテル鶴岡で開かれ、事務局側が本年度のプレ事業と来年の本番の事業計画案を示した。本番の22年は、酒井忠勝公が庄内に入部した時期とされる10月に記念式典と講演会、「荘内四百年大祭・入部行列」を2日間にわたって実施する。
21年度のプレ事業では、本番に向けて機運の醸成を図る。プレ式典・講演会を今年10月31日(日)に開催するほか、旧庄内藩士による松ケ岡開墾から150年を迎えたのに合わせ、城址の鶴岡公園と松ケ岡開墾場を結ぶ観光のモデルルートを構築し、旅行商品造成や400年記念ガイドブック製作を進める。酒井家とゆかりの深い場所や施設などを紹介し、次世代へ伝える歴史と文化をまとめた小冊子の編集を進め、来年度に発行する。「親子記者プロジェクト」や高校生による古文書調査体験なども行い、学びを通して地域の若い世代に庄内の歴史や文化を継承していく。
22年度の本番の記念式典と講演会は、来年10月9日(日)に荘銀タクト鶴岡(市文化会館)で予定。基調講演や酒井家400年の歴史と文化を未来へつなぐことをテーマにしたパネルディスカッションを計画。翌10日(月、祝日)は荘内大祭実行委員会による「荘内四百年大祭・入部行列」を開催。2日間通して記念事業を繰り広げる。鶴岡公園周辺で展開されるさまざまな記念事業の案内・ガイダンス拠点を致道博物館内に設けるほか、記念事業を総括する記念誌の発行、歴史と文化と現在を次代に伝える動画制作、鶴岡公園への400年記念植樹なども計画している。
実行委は鶴岡市や経済団体、小中学校、酒井家や松ケ岡開墾場などの関係者らでつくり、庄内地域の他の4市町の首長も参与として加わり、庄内全体の事業として取り組んでおり、鶴岡市企画部内に事務局を置く。
この日は関係者約50人が出席。委員やアドバイザーからは「一過性のイベントで終わらせることなく、400年の歴史と文化を将来に継承していけるような記念事業にすべき」「400年の歴史で培われた庄内の精神性を基に持続可能な未来をつくるSDGs(国連の持続可能な開発目標)の視点も加え、世界が求める日本の価値を鶴岡から発信してほしい」「400年記念事業の取り組みをどのように総括し、その後の庄内全体の地域づくりにどのように生かすかの考え方も重要だ」などの意見が出された。