2021年(令和3年) 7月3日(土)付紙面より
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荘内銀行(鶴岡市)と北都銀行(秋田市)を傘下に持つフィデアホールディングス(HD、仙台市)と東北銀行(盛岡市)は2日、2022年10月1日の経営統合に向けて協議を進めることに基本合意したと発表した。東北銀は株式交換を通じてフィデアHDの傘下に入り、完全子会社となる。
フィデアHDによると、同日に両社がそれぞれ開催した取締役会で経営統合協議についての基本合意を決議し、両社間で基本合意書を締結した。
フィデアHDとグループの荘内銀行、北都銀行、東北銀行は2018年2月、包括的な業務提携協定を締結し、東京支店の共同運営やATM(現金自動預払機)の相互利用、システムの共同利用などを進めていた。
経営統合には、人口減少や低金利の長期化に加え、新型コロナウイルス感染症の影響で地域経済が低迷する中、県境を越えた広域金融グループのメリットを生かし、経営基盤を強化する狙いがあるとしている。2日、午前から午後にかけ、田尾祐一フィデアHD社長・荘内銀行頭取、村上尚登東北銀行頭取らが盛岡市内、仙台市内で相次いで記者会見した。
東北銀行は、フィデアHDグループが有していない青森、岩手県内にも店舗を持ち、同HDは経営統合後、東北全域をカバーする広域金融グループとなる。
2021年(令和3年) 7月3日(土)付紙面より
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酒田市中町二丁目の老舗デパート「マリーン5清水屋」が、今月中旬にも閉店する方向で検討が進められていることが、2日までに分かった。今年5月下旬に2012年から社長を務めてきた成澤五一氏が死去した後、新たな経営体制と今後の経営の在り方を模索していた。
清水屋は1925(大正14)年創業の衣料品店が起こり。戦後の50(昭和25)年に同市中町三丁目に清水屋デパートとして開店。市中心部が焦土と化した酒田大火(1976年10月)から2年後の78年、大火復興事業で完成した6階建ての酒田セントラルビル(マリーン5)のキーテナントとして中町二丁目の現在地に入居した。
94(平成6)年には、東北地方で百貨店事業を展開していた中合(福島市)と合併したが、中合は2012年2月に営業を終了。同社と事業部分譲渡契約を結んだマリーン5清水屋は同年3月に再オープン、酒田セントラルビル社長を務めていた成澤氏が社長に就任した。
経営を仕切っていた成澤氏が亡くなった後、小売業界を取り巻く環境が厳しさを増す中、今後の営業について内部で検討が進められていた。マリーン5清水屋は先月23日から「在庫一掃セール」、1日からは「さよならセール」を行っている。
2021年(令和3年) 7月3日(土)付紙面より
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鶴岡市の県立鶴岡南高(坂尾聡校長、全日制生徒588人)の創立133周年記念式典と記念講演が1日、同市の荘銀タクト鶴岡(市文化会館)で開かれ、同校OBで東北大副学長・大学院理学研究科教授の山口昌弘さん(58)が「量子の世界に魅せられて」と題して講演した。
山口さんは朝暘一小、鶴岡三中卒で、鶴岡南高1981(昭和56)年卒(第88回)。東京大理科1類に進学し、物理学を志し理学部物理学科を卒業。同大大学院理学系研究科博士課程修了。米国ノースカロライナ大博士研究員、独ミュンヘン工科大客員研究員などを経て、2003年から東北大大学院理学研究科教授。東北大では総長特別補佐など歴任し、18年から教育改革・国際戦略担当の副学長を務めている。研究分野は素粒子論。
母校の在校生を対象にした講演で山口さんは、17世紀のニュートンから20世紀のアインシュタインへと連なる量子論誕生の流れを紹介し、「青い空や夕焼けのあかね色、木々の葉の緑など普段何気なく見ているものが、20世紀になるまではなぜそうなるのかは分からなかった。量子学が進展して分かるようになり、量子論はデジタルカメラやスマホのカメラなど現在のさまざまなテクノロジーの基礎となっている」と述べた。
また、20世紀を代表する物理学者・ファインマンが来日した際の言葉も紹介。山口さんが大学院生のとき、先輩の院生が「先生、何が重要な問題でしょうか、何を研究すべきですか」と質問したのに対し、ファインマンは「君が面白いと思うことをやりなさい」と答えたという。山口さんは母校の後輩たちに「自分で面白いこと、夢中になれるものを見つけ、徹底的に究めて新しいものを見つけてほしい」とエールを送った。
創立記念式典には全日制の全校生徒が出席。坂尾校長が式辞、来賓の齋藤正志鶴翔同窓会長が祝辞を述べ、音楽部員が合唱で明治期から現在までの4つの校歌を披露した。