2021年(令和3年) 7月23日(金)付紙面より
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県庄内総合支庁の本年度の「庄内若者協働考房ミーティング」が21日、三川町の同支庁で開かれ、庄内地方の各界で活躍する若者たちが、庄内の「食」の魅力を生かした若者定着・回帰の方策などについて意見を交わした。
同支庁独自の取り組みとして2019年9月に始めた。庄内の各界で活躍する若者がネットワークを広げながら、行政と協働で地域課題を解決していく機運を醸成、地域創生につなげる狙い。
農業や農産加工、飲食、子育て支援、観光に関わる社会人や大学生、合わせて9人(うち6人が庄内以外の出身)が参加。高橋正美庄内総合支庁長の司会で「『食の都庄内』のブランド価値の向上と『食』の魅力を生かした若者定着・回帰」をテーマに意見を交わした。庄内5市町の職員がオブザーバー参加した。
庄内の食の魅力については「いつ、何を食べてもおいしく、胃袋をつかまれた。海や山などの多様なものがある」「大黒様のお歳夜(としや)など他地域にはない行事食が日常の中にある」「生産者や料理人、流通の距離が近く、そのコミュニティーに入り込むほど、おいしいものを食べられる」「生産者の顔が見えるので、子育てする親は安心できる」などの意見が出た。
食の魅力の効果的なPR方法については「農家は作るだけで精いっぱい。活用を企画する専門家と連携したい」「大学で規格外野菜を安く売ったり、学食のメニューに伝統料理を入れて」「農家が継続していくため高付加価値を付け、ビーガン(菜食主義者)など高くても買う人に重点的にPRを」「幼い頃から地元の食に関わる経験を」「庄内は独自の食文化が多く、SNSなどの情報発信では“翻訳”が必要。発信力アップの講座も」「食にあまり関心のない地元の人たちを取り込むため、大型店などでイベントを」などの声があった。
食の魅力を若者の定着・回帰につなげる方策では「東北の他県と連携し各地の食を学ぶ『食留学』を」「高卒初任給から庄内の食の魅力にたどり着くまで時間がかかる。お金のある人、ない人、両方向けの施策が必要」などの意見が出た。