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2022年(令和4年) 3月31日(木)付紙面より

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鶴岡の国指定史跡・松ケ岡開墾場「4番蚕室」 愛称は「シルクミライ館」 4月16日オープン 絹産業の歴史・文化に触れる

 鶴岡市は、絹織物体験施設としてリニューアルを進めている国指定史跡・松ケ岡開墾場の4番蚕室について、愛称を「シルクミライ館」に決め、4月16日(土)にオープン。同市の絹産業の歴史や文化に触れ、楽しみながら学ぶことができる施設で、無料で入館できる。

 日本遺産「サムライゆかりのシルク」を構成する文化財として中核を担う同開墾場に、新たな魅力を創出するもの。昨年度から市が整備を進めていた。

 4番蚕室は現存する明治初期建設の大蚕室5棟のうちの一つ。3階建て蚕室のうち、1階では養蚕から絹製品になるまでの絹織物の一貫工程を映像で紹介。繭玉やキビソに触れられるほか、実際に使用されている道具類も見学でき、糸紡ぎや手織りなどの体験もできる。鶴岡シルクの製品を販売するショップも入る。

 2階には復元した養蚕棚を展示。6月と9月には実際に蚕の展示飼育も計画。研修室3室も配置し、シルク製品のほか、鶴岡中央高のシルクガールズが制作したドレス展示など高校生たちの研究成果も紹介。「サムライゆかりのシルク」のストーリーとともに、鶴岡のシルクの魅力を発信する新たな拠点としていく。

 愛称の「シルクミライ館」は、松ケ岡地区の住民や地元の広瀬小5、6年生の協力で決めた。同市の絹や絹産業の歴史・文化に触れ、新しい価値を創造する未来志向の施設としての思いが込められた。開館時間は午前9時―午後4時、定休日は水曜日(祝日の場合は翌平日)で、入館無料。

4月16日に「シルクミライ館」としてリニューアルオープンする松ケ岡開墾場の4番蚕室
4月16日に「シルクミライ館」としてリニューアルオープンする松ケ岡開墾場の4番蚕室

リニューアルのイメージ図
リニューアルのイメージ図


2022年(令和4年) 3月31日(木)付紙面より

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飽海地域史土台に活性化 6月研究会設立へ 6回シリーズ プレ講座スタート 初回「北前船」について探究 酒田船箪笥加藤さんら講話

 酒田・飽海地域の歴史を探究し、その成果をこれからの観光や地域づくりに役立てようと、地元有志が今年6月、「飽海地域史研究会」を創設する。活動への理解を深めてもらうためのプレ講座が27日に開講、初回は仏パリで開かれる美術工芸家の作品を集めた展覧会に伝統工芸「酒田船箪笥(だんす)」を出品する加藤渉さん(酒田市)と、設立準備委員会代表を務める小野寺雅昭さん(同)が、江戸―明治期に遠隔地貿易の主役だった「北前船」について講話した。

 地域の歴史の調査・研究を積み重ね、その成果を次代に継承することで、人材育成、歴史を土台にした地域活性化を図ろうと、元教諭で県地域史研究協議会理事の小野寺代表、観光まちづくり会社「酒田ドラマチック・カンパニー」(同市みずほ一丁目)の市村浩一さんらが中心となり現在、研究会設立に向けた準備を進めている。

 まずは地域住民から研究会の活動について理解を深めてもらおうと、6月4日(日)まで6回シリーズでプレ講座を企画。市総合文化センターで行われた初回では、加藤さんが「船箪笥と北前船」、小野寺代表が「若狭北前船頭川渡甚大夫の日記について」のテーマでそれぞれ講話した。

 このうち加藤さんは冒頭、「モノ、技術にも歴史というものがある。船箪笥は北前船にとって金庫のようなもので、切っても切れないもの。酒田は佐渡、三国とともに三大生産地」と。酒田船箪笥の特長を紹介した上で、船箪笥のこれからについて「経済産業省『伝統的工芸品』認定に向け、必要とされる証拠文献などをこの研究会を通じて探究していきたい」と述べた。

 小野寺代表は、北前船の船頭が書いた日記をひもとき、北前船が酒田にもたらしたもの、当時の酒田の繁栄ぶりなどを紹介した。

 次回プレ講座は、4月10日(日)午後1時半から同センターで行われる。古文書など1万1000点余を紹介する「庄内酒田古文書館」を同市みずほ一丁目の自宅に開設する地域史研究家・杉原丈夫さんが、江戸期における酒田人の生き方について解説する。準備委員会では広く参加者を募集している。誰でも参加でき、費用は資料・会場費として1講座につき300円(当日納入)。問い合わせは酒田ドラマチック・カンパニー=電090(2277)5039=の市村さんへ。

「酒田船箪笥」について講話する加藤さん(中央)。右は小野寺代表
「酒田船箪笥」について講話する加藤さん(中央)。右は小野寺代表


2022年(令和4年) 3月31日(木)付紙面より

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《ひと》模擬火災原因調査講習会を提言

山形県消防職員意見発表会
最優秀賞受賞 東北大会出場
黒井 孝太(くろい こうた)さん

 今月9日にオンラインで行われた県消防職員意見発表会で「防ぎえた火災を減らすために」と題した火災予防策を発表し、最優秀賞を受賞。来月に秋田県で開催される東北大会への切符を手にした。「まさか、という驚きとうれしさが混じった気持ち。県代表に選ばれてとても光栄」と喜びを語った。

 鶴岡南高を卒業後、新潟県の新潟大工学部へ進学。3年時に東日本大震災を経験し「地元の役に立てる仕事に就きたい」と消防の道へ進んだ。

 意見発表会では、9年間の勤務経験で感じた課題を基に、住民対象の「模擬火災原因調査講習会」を提言した。内容は、全焼した現場写真を見せながら出火原因を参加者と共に考察。その後、参加者に事前に撮影してもらった自宅の写真を見て、火災の恐れがある箇所を職員が指摘する。既に市内の事業所で試験的に行い、参加者から「出火の恐れがあるとは知らなかった」「町内会でもやってほしい」と好評を得た。

 さまざまな火災現場を目の当たりにしてきた黒井さんは「タバコの吸い殻や電気配線の劣化など、当事者の認識不足で起こる火災を少しでも減らしたいと感じた。インターネットでも対策は載せているが、住民に直接訴えかけることが一番効果的」と話す。

 東北大会に向けては「皆さんに思いが伝わるよう自信を持って発表し、全国大会を目指したい」と述べ、「火災予防は自分一人でできることではないが、個人としても組織全体としてもできる対策を行い、住民の命や財産を守っていきたい」と今後の意気込みを語った。

 鶴岡市消防本部中央分署救急第2係消防副士長。朝暘町在住。妻と長女、次女、長男の5人家族。休日は家族と公園で遊んだり、市内のドライブへ。高校時代にキャプテンを務めた野球を今も続け、社会人チームに所属。31歳。

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