2023年(令和5年) 12月7日(木)付紙面より
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青木建材(青木政樹社長・本社鶴岡市羽黒町押口)ドローン事業部の青木紘一さん(41)が、ドローンの国家資格「一等無人航空機操縦士」に合格した。山形県内でも数人しかいないという難関。青木さんは「正直に喜びたい。今後、さまざまな分野でドローンの活躍の場が広がってくると思う。国家資格の取得に満足することなく専門性に磨きをかけていきたい」と話している。
青木さんが国家資格にチャレンジしようと思ったのは1年ほど前。「確かな知識と技量を備えた操縦士に」と一念発起、勉強と練習を重ねた。
ドローンの国家試験(一等と二等に区分)は学科試験と実技試験、身体検査で構成され、一等の場合の学科試験は70問(制限時間75分)で9割以上の正解率が求められる。実地試験は机上・口述・実技で実施される。
中でも実技は高度変化を伴う「スクエア飛行」、機体を回転させながら行う「ピルエットホバリング」、緊急着陸を伴う「8の字飛行」があり、試験官の指示に従って制限時間以内に飛行させる。一等の場合はドローンの「GNSS/ビジョンセンサー」などの水平方向位置安定機能がオフの状態、なおかつ風の影響を常に受ける屋外で実施されるため高い技術が要求される。
「最近、無人航空機の飛行にかかわる書類送検事案がニュースになっているがそれだけ注目度が高い分野といえる。国家資格を持って順守することでお客さまとの信頼関係を深めたい」と青木さん。現在は観光や企業のCMとプロモーション映像に使われる空撮業務、農薬散布業務、このほか地元のキッズドームソライと連携し、ドローンを活用した子ども向けのワークショップも開いている。
近い将来、ドローンは大きな災害で道路が寸断された地域の人たちに水や食料、毛布などを運ぶ支援活動の手段として模索されている。
青木さんは「今後はインフラ点検、消防・防災現場に無人航空機の活動の場を広げ、私なりに地域貢献していきたいと思う」と語った。